本当はプリテンダースーツのベルトを腰に巻きます。 細かい事を言えば、アウターシェルのオスとメスが玩具版とは逆になっています。

1988年頃超神マスターフォースの時期のカバヤTFガムより、
サイバトロンプリテンダーのフェニックスです。
変形ロボをプリテンダースーツと呼ばれる人形で包むという、
一風変わったギミックが採用されたシリーズでした。
例によってこのオマケはほぼ玩具版に忠実に作られています。
大きく異なるのは人形の腕の付け根部分。
玩具版では腕を付けたまま人形を分割するのですが、
こちらは腕を外してから分割する様にアレンジされています。


目に入れられてる縦線は、おそらく玩具版のエッジを表現しようてしたのではないかと。 半濁点で始まる名前も珍しいかも。

中身のロボット。背中に翼を重ね合わせる収納法がユニークです。肉抜きされた
後頭部は、玩具版ではノズルと思われるモールドが施されていました。変形時に
首を回す事で表に見える様になっているのですが、このオマケの方はモミアゲの
パーツが引っかかるので首が途中までしか回りません。胴体内部の構造はギリ
ギリなので、どうしても変形させたかったらモミアゲを削るしかなさそうです。


なんとなく手足が判ってしまうのはツラいかな。

プリテンダーは人形に収めるギミック上の制約のためか、それまでのトランスフォー
マーとは大きく異なる細身のプロポーションをしています。
細かく見ていけば、変形ロボにとっては隠すか引っ込める位しか使い道がなくジャマ
とも言える頭部をあえて大きくして(一部のキャラではあるものの)積極的に変形に
取り入れようとする試みからは、トランスフォーマーの文法をくつがえそうとする野心
が読み取れます。
ハの字に開いた脚など斜めのラインを意識した設計も同様のものでしょう。もっとも
「変形の際にパーツがスキ間なく合うピッタリ感」といったカンジのトランスフォーマ
ーの醍醐味が削ぎ落とされているのには、あまり良い印象は持てませんが。

このフェニックスには特に変形用可動軸と関節の一体化の傾向が強く見られます。
これは元となった玩具の、コスト削減のための合理化による影響でしょう。
それから、玩具版と同じく肩と腕に付いている半円状のパーツは他のプリテンダー
にちょくちょく見られる「コロ走行用の車輪のツモリ」パーツではないかと思われ
ますが、フェニックスには必要ない(一応それっぽい形には変形できますが)のに
わざわざ付けられています。
買いかぶり過ぎかも知れませんが「金がないなら腕でカバーしてやるぜ!」とでも
言いたげな製作者の主張が表わされている様な気がいたします。

決して主流になる事はなかった(って言うか、ならなくて良かった) シリーズですが、
このあと合理化を前提とした新機軸の模索が、マイクロトランスフォーマー、ジェネ
レーション2と続きビーストウォーズで成功したのを思えば、その出発点として評価
されてしかるべきだと思うのですが。
そう考えると、ビール腹だとかエンピツ立て だとか酷評されているスーツのデザイ
ンも味のある様に見えてくる様な気がしませんか(実際、ブーツのシワとか左右非
対称のメカとか結構手が込んでいますし)。


トランスフォーマー目次に戻る

トップに戻る