スーパーリンク22話〜30話


第22話  「暴走!飢えたユニクロン」


すっごいコトにしてみた感想

『「喰われるー!なけなしのエネルゴンはおろか、テラーコンの分までもが喰われてくよー」』
目の前でさんざん生殺しを味わったユニクロンは、ついに体内で暴走を開始した。

「ぬああーっ、アルファQ様、んおおーっ。出せ!俺をここから出してくれ!」
「うるせえぞ、捕虜は黙って静かにしていろ」
アルファQのピンチにうろたえるメガザラックを、アイアントレッドは冷たくあしらった。
「我が主の危機なのだ。武士の情けで見逃してくれ!」
「あ?んな事知るか」
「だからこういう事になると言っただろ」
グランドコンボイは、それ見た事かと言わんばかりの態度で説教をかました。
「お前らだ!お前らが来たからこうなった!」
「都合のいい事を言うな」
「都合のいいのはお前だ!毎回毎回、目先の都合で話を変えおって」
「メサキノツー号?はて、この船の名はミランダUのはずだが」
『「ダメだこりゃ」「ワガママに動く」「何も考えてない」』
アルファQは、メガザラックを介して思わずツッコミを入れた。
「貴様がアルファQか。ユニクロンを動かすのは危険だ、セイバートロン星のため・・・」
「『ユニクロンに飲み込まれた星の中にはゴールドプラチナの鉱脈がある。それを解放すれば・・・』」
「アルファQ、あなたの話を聞こう」
それまで頑なな態度を示していたグランドコンボイの心があっさり動いた。

「インフェルノ、オムニコン達に出撃命令を出せ」
「それが司令官・・・」
「どうした」
「オムニコン達がヒビッて動こうとしません」
「そりゃあビビるさー」
「我々ではエネルゴンスターを付けてもユニクロンの腹まで届ける事は出来ない」
「でも俺達の戦力ではどうしようもないって言ってるさー」
オムニコンの一人、ブラストアームは呆れて船の奥に引きかえそうとした。
「勝手な行動を取るな!」
「うぎゃあ!・・・ぐえっ、ふぇふぇっ」
脇腹にグランドコンボイの蹴りをくらい、ブラストアームは床を転がり回った。
オムニコン達は、倒れたブラストアームに寄り添うと、みな顔を蒼ざめさせ静まり返った。

「行け!」
「ヒャッホー!」「おらー!」
グランドコンボイの命令で、オムニコン達は奇声を発しながらユニクロンの口の中に飛び込んでいった。
「あぐっ!・・・うぉがっ!・・・んごわっ!」
オムニコン達の大半は、たちまちのうちにユニクロンの餌食となった。
「ひるむな!」
「ヒャッホー!」「おらー!」
グランドコンボイの命令で、第2陣のオムニコン達もヤケクソ気味にユニクロンの口の中に飛び込んでいった。
「あぐっ!・・・うぉがっ!・・・んごわっ!」
やはりオムニコン達のほとんどが、たちまちのうちにユニクロンの餌食となった。
「これはムゴい」
「生肉しょってライオンの檻に飛び込む様なモノですからね」

「どうしてこんな事になるさー」
「人間で言う所の、喪服ならず喪エネルゴンって奴さー」
「どうせやられるなら、こうしてやるさー。それー」
「それー」「それー」
生き残ったオムニコン達は、エネルゴンスターを打ち上げ、一まとめにした。
ユニクロンの触手が一斉にエネルゴンスターに向かったその時である
「トランスフォーム!」
エネルゴンスターは女性の姿をしたオムニコンへと形を変えた。
「ハァ?何だありゃ」
「ユニクロンの触手も動きを止めたぞ」
「生き続けるために、本能的に最も必要なモノをオムニコン達は生み出したのです」
「何言ってんだミーシャ」
「それは、萌えの対象となる者。守るべき存在としてエリアルは現れたのです」
「妄想だ、話にならん」
「ユニクロンは、いつから萌エネルゴンを補給してないの?」
「いつって、まさかコイツの本能は」
「ユニクロンも生物なら守るべき存在を認識するはず、そんな気がしたんです」

「立て、男達よ!」
「エリアルのためならー、オー!」
エリアルに鼓舞され、オムニコン達は一斉に立ち上がった。
「右向け右!」
エリアルの号令に合わせ、オムニコン達は整然と右へ習った。
「理想の女性に命令されるのって気持ちいいさー」
「左向け左!」
オムニコン達は、恍惚の表情を浮かべながら左へ習った。
「うはー、たまんねえさー、こりゃあ・・・あ?・・・んごわっ!」
オムニコン達は、全員まとめてユニクロンに串刺しにされた。
「おい!・・・あの・・・ミーシャ?」
「ユニクロンは、エリアル以外はどうでもいいのじゃないかしら」


解説

なんだ、本当にエネルゴンって美味しかったのか。こりゃまた一杯だわさ。
しかしあれでは体のいいパシリな気が。利用するつもりが利用されてんじゃん。
今回は本物の方がギャグとして面白かったためか、比較的そのまんまです。


第23話  「それぞれの戦い」


すっごいコトにしてみた感想

「長い間、お世話になりました」
「もう来るんじゃねえぞ」
牢番に別れを告げた彼の名はレーザーウェーブ。食い逃げの罪でサイバトロンにとっ捕まってた元囚人である。
「あーシャバの空気はうめえぜ。さてと、まずは腹ごしらえでもするか」
「何だこの花輪は。えっと・・・『喫茶ジャングルシティ』本日開店」

「開店おめでとう、ウイングダガー」
「グランドコンボイ総司令官直々にお目見えくださるとは、嬉しい限りであります」
「私にはセイバートロン星の平和を見守る義務がある。当然の事をしたまでだ」
「頑張って下さいね。私も協力しますから」
「有難うございます、これもミーシャさんの勧めがあってこそ。借金した分バリバリ働きます」
「しかしなんで地球のサイバトロンシティの名前がついてんだ?」
祝福ムードの中、キッカーはどうでもいい様な疑問を口にした。
「無くしてしまった大切な時間が忘れられないの」

「『巨大エネルゴンパフェ、通称エネルゴンタワーを食べきったら無料』だと?面白いではないか、ワハハ」
「よう、ガルバトロンじゃねえか」
「『様』だ。ワシを呼び捨てにするのは一人だけの時にしておけ、レーザーウェーブ」
「ヘッ、相変わらず無駄口が多い」
「ヨーロレイヒッヒッヒッ、口も無い奴が偉そうに」
「ナンデスカ?」
「お前が言えた事か、スノーストーム。ショックウェーブ、レーザーウェーブ、店に入るぞ」

「あ、お客さまが見えられました」
「いらっしゃいま・・・貴様はレーザーウェーブ!」
「何だ、いきなり知り合いか?」
「知り合いなモノか!コイツはな、以前食い逃げの常習犯だったんだ。
あれ以来、前の店に客は来なくなる、銀行の融資は止まる、挙句に店はつぶれる、
ここまで再建するのにどれだけ苦労したと・・・お前だ!お前が来てからこうなったんだ!」
「おい、落ち着けって。イライラしたって新しい店は始まんねえぜ」
「今は刑務所で罪を償ったんでしょ?あの頃のレーザーウェーブはもう居ませんよ」
「そうだな、悪かった。・・・いらっしゃいませ、ご注文はお決まりでしょうか」
「出所祝いだ。レーザーウェーブ、この作戦の指揮はお前に任せる」
「だとよ、どうする?」
「んなもんエネルゴンタワーに決まってんだろ。そこの親父どもの分も合わせて、とびっきりデカいのを大至急だ」

「デ、デカイ・・・」
「ひょえ〜」
「ヘッ上等じゃねえか」
4名分まとめて盛り付けられたエネルゴンタワーの巨大さに、デストロン達は各々驚嘆の声を口にした。
「何をしておる、早くエネルゴンタワーを食わんか!溶けてしまったら勿体無いではないか」
ガルバトロンに発破をかけられ、一堂はエネルゴンタワーの攻略に取り掛かった。
「食・・・食・・・食」
「あ、こいつフルーツばっか食ってやがる。何サマだよ」
「うるせー、オレ様はオレ様だ」
「仲間割れなどしてる場合か」
「でもコイツ、さっきからおいしいとこ取りしかしてないですぜ」
「てめー、まだ言うか」
「ツメタイ・・・」
「おい、そこの店員、エネルゴンコーヒーを4つ持ってこい。うんと熱くて苦い奴をな」

「いかん、予想以上に攻略のスピードが速い。よし、こうなったら」
グランドコンボイは、懐から怪しい錠剤を取り出しコーヒーに混入しようとした。
「やめて下さい、グランドコンボイ」
「そうだぜ、いきなり営業停止にする気かよ」
「コラ!そこの暴走中年、逮捕だ!」
「ほら見ろ・・・え?あんたらは」
「なんてね。チームロディマス見参」
「正々堂々と戦意を喪失させればよいのでござる」
「グランドコンボイ、頭数合わせのため、協力を要請する」
チームロディマスは、店内の椅子に腰掛けると、エネルゴンタワー4名分を注文した。
「ハッ、後から出てきて追いつこうとでも言うのか。笑止な」
ガルバトロンは、ロディマス達の挑発を鼻であざ笑った。
「お飲み物は何になさいますか」
「ソーダ」
ロディマスコンボイは、冷たいエネルゴンソーダを4つ頼んだ。
「な、何だと!?」
「甘いと言われるかも知れんが、私はこれが大好物なのだ」

「巨大パフェを攻略するのに、更に冷たく甘い物を取るとは、正気の沙汰とは思えん」
「ショック・・・ショック・・・ショック」
意表を突いた攻撃に、ガルバトロン達は激しく動揺した。
「うろたえるな、ガルバトロン」
「でもやっぱ無理があったみたいですぜ。あのちっこいの、全身真っ青でガタガタいってますぜ。レイヒッヒッ」
「なんだよ、やるってのか!」
スノーストームに図星を突かれ、レッドアラートは思わずケンカ腰になった。
「おいおい、アイツが営業妨害してどうすんだよ」
「私が行ってきます」
ミーシャは、伝票を持ってレッドアラートの席に近付いて行った。
「何かご注文はありませんか」
「あ、それじゃ、コーラ」

「ありゃー、案外頑張るね、あいつら」
「こっちも対抗すりゃいいんだろ。エネルゴンかき氷を追加だ!」
レーザーウェーブは巨大かき氷を注文した。
「おい、そこのでっかいの。こいつを全部たいらげろ!」
「ナンデ俺ガ」
「お前が一番でっかいからに決まってんだろ。早くしろ!」
「オマエノ命令キカナイ」
「今の指揮官は奴だ。レーザーウェーブを助けぬか」
ガルバトロンに叱られ、ショックウェーブはかき氷を一人で黙々と食べ始めた。
「シャック・・・シャック・・・シャック」
「敵もさる者でござるな」
「こっちまでブルッてきちゃうよ」
「そうだな。ロディマス、エネルゴンココアを頼んでくれないか」
「ワハハハ、怖気づいたかコンボイ」
「ミーシャ、アイスココアを頼む。あらかじめガムシロは溶かし込んでおいてくれ」

「レイヒッヒッ。随分頑固ですぜ、こりゃあ」
「だったら頭を使うんだよ」
そう言うと、レーザーウェーブは、サイバトロン軍のテーブルまで歩いて行った。
「知ってるか?アイスクリームはな、醤油を足らすと甘味が増すんだとよ」
レーザーウェーブは、醤油差しの中味を全部サイバトロン軍のエネルゴンタワーの上にぶちまけた。
「あーっ!オレ達のパフェが」
「不届き千万でござる」
突然の仕打ちに、レッドアラート達は怒りを露わにした。
「んだとぉ。オレ様の親切にケチをつけようってのか」
「ありがとう。私はこれを待ってたんだ」
ロディマスは、心底嬉しそうな表情を浮かべながら、パフェの醤油漬けをたいらげ始めた。
「一体、何を考えてるのだ、あいつは」
「我々の想像を遥かに越えた所で動いてますぜ」
「シャック・・・シャック・・・ナンカ、ムカツク・・・・オ!」
あまりの不気味さに、気分が悪くなったショックウェーブは、立ち上がろうとして腰を抜かしてしまった。
「ショックウェーブ!手遅れになる前に洗面所に連れて行くのだ!」
ガルバトロン達は、みんなで急いでショックウェーブを抱え上げた。
「ロディマス、実はオイラもさっきから・・・」
レッドアラートも気分が悪くなって洗面所に向かった。
「しまった、デストロンに今、洗面所を渡すわけには行かない!」
グランドコンボイは、懐から取り出した怪しい爆破スイッチに指をかけた。
「待てよ!グランドコンボイ」

「わ、私の店が・・・うおーっ!」
「洗面所が満ち足りた設計だったら、争いは必要なかった・・・」
「コスト面でその理屈が通じると・・・」
「正しくトイレットペーパーを補給してやれば、コントロールは出来るはずだ」
「私もその可能性を期待しています」
瓦礫の山の中、泣き崩れるウイングダガーの横で、2人のコンボイとミーシャは勝手に感傷にふけった。
「それだけの理由かよ、オイ」


解説

もはやエネルゴンと付ければ何でもありですね。
一応、「そうだ」は20話が「コラ」は21話が「ココをぁ」は23話が元ネタなのですが、ほとんど意味ナシです。


第26話  「引き裂かれた宇宙」


すっごいコトにしてみた感想

『開店おめでとうございます、ウイングダガーさん』
『有難うございます。これもミーシャさんの勧めがあってこそです』
『ようやく夢がかないましたね』
『ええ、あとはミーシャさん・・・ボクと・・・!』
『はい?』
『私の夢は、あの黒くて大きくて角の生えた悪い奴をギッタンギッタンにしてやる事だ』
『グ、グランドコンボイ司令官?突然何を言い出すのですか』
『解っている。もちろん鉱脈・・・いや、星を解放した後でだ』
不条理な展開に混乱するウイングダガーの手を、グランドコンボイは無理矢理引っ張り上げた。
『来るんだ、ウイングダガー。君のスパークは私のために働く事を望んでいる』
『い、いやだあ!自分はあなたの操り人形ではない!うわぁぁっ』
ウイングダガーは、この世の終わりの様な悲鳴をあげながらベッドから跳ね起きた。

「目が覚めたかね」
「良かった。気がついて」
「自分は・・・ここは一体」
「一人で首を吊ってるのを、グランドコンボイが発見して連れてきてくれたんです」
「・・・・・・」
「どうした、不満そうな顔をして。私がおせっかいだとでも言うのかね」
「そう言う事ですよ。 これでは生きている価値がない。あのまま死なせてくれれば良かった物を」
「だから絶望を甘んじて受け入れたと言う訳か。勝手な奴め」
「あなたがわざわざ余計な事をしたからではないですか!」
「いつまで君は、一人でそうしてくだらない事にこだわっているのだ」
「そうですよ。新しい門出のお祝いにって、借金はグランドコンボイが肩代わりしてくれたんですから」
「そうだったんですか、有難うございます!これからは司令官にこの身を預ける覚悟で働かせていただきます」
「礼には及ばない。君の給料の90%を毎月返済に当てればいいだけの話だ」
「ぎょっ!?」
「どうした。何か不満でもあるのかね」
グランドコンボイは、懐からカセットレコーダーを取り出すと、ウイングダガーの言葉をリピートしてみせた。
「いえ、宜しくお願いします」

「これより、ユニクロンに飲み込まれた星を解放する。準備はいいか、インフェルノ」
「任せて下さい。パチ屋で鍛えた腕前・・・いえ、なんでも・・・」
インフェルノは、エネルゴンの発射装置のレバーに指をかけた。
「チューリップ・・・じゃなくって角が開いた瞬間を狙うんだ。ってお前さんには釈迦に説法だったな」
「念には念を入れるに越した事はない。ご忠告感謝するよ、スカイファイヤー」
『「素晴らしい」「いよいよ我が星が」』
「ユニクロンの操作、しっかり頼むぜアルファQ」
『「任されたよ〜ん」「では、ユニクロンを動かすぞ」』
キッカーに返事を送ると、アルファQはユニクロンの角を動かした。
「よし今だ、撃て!」
「了解」
インフェルノは、ユニクロン目掛けてエネルゴンを射出した。しかし・・・
「あっ、ユニクロンが避けたぞ!!」
ユニクロンは突然角を閉じて、エネルゴンの玉を弾いてしまった。
インフェルノは思わず台に頭を打ち付け、痛さのあまりに床を転がりのたうち回った。
「大丈夫かインフェルノ」
「アルファQ、ふざけた事やってんじゃねえっ!」
『「あー別にそんなつもりじゃないんだけどね」「ユニクロンが言う事を聞かないのだ」』
「もしかすると、ユニクロンは普通のエネルゴンでは駄目なのではないのかしら」
「何言ってんだ、ミーシャ」
「断言は出来ません。しかし、萌エネルゴンの味を知ったユニクロンは、もはや普通のエネルゴンでは
大人しく言う事を聞く様な相手ではないのでしょう」
「ユニクロンに、そんな屁理屈が通じると・・・」
「踊ります」
ミーシャは会話を一方的に打ち切ると、ダンスを披露してみせた。
「あっ、ユニクロンが角で手拍子を送っているぞ!」
「喜んでるのか?もしかして」
「よし、とにかく今だ。撃て撃てぇ!」
「了解っ」
インフェルノが放った萌エネルゴンは、みるみるうちに次々とユニクロンに吸い込まれていった。
「すげえぜ、大フィーバーだ!星がどんどん解放されていく」
『「みごと娘よ!」「褒美をとらせよう。おまえの望みをいうがよい」』
「わたしはその様な事は・・・」
『「遠慮はいらん」』
「ではわたしの望みは、銀の大皿に乗せた・・・」
『「銀の大皿?」「かわいい事を言う奴め」』
「ユニクロンの首を」
『「お安いご用・・・」「ってちょっとタンマ!そんなお皿、どこにあんのよ?」』
アルファQが仰天すると同時に、ユニクロンは鳴動を始めた。
『「何だ、何が起こった」「地震、雷、火事、親父?」』
「あっ、ユニクロンの首が取れた!」
「ユニクロンの首が逃げて行くぞ!」
「ユニクロンは誰の物でもありません。このちっぽけな宇宙を飛び出し、新たな世界へ飛びだしたのです」


解説

本物さんの方は、ネタ満載でかなりおいしい話でした。
こっちはミーシャが一番壊れてきてる気が・・・。ユニクロンのつじつまだけは合わせてみましたが、
来週以降どうするかは知ったこっちゃないです。


第28話  「守るべき星々」


すっごいコトにしてみた感想

「いかん、ユニクロンの首が鉱脈・・・いや、星のスパークを連れて行くぞ!急いで後を追うんだ」
「やれやれ、どうするさー」
「これ以上はごめんさー。船だけ置いて、我々は帰るさー」
オムニコン達が帰ろうとすると、グランドコンボイは懐から遠隔操縦装置を取り出し、脱出ポッドを全て爆破した。
「だったら俺達も行くしかねえとぐらい言えないのかね」

「ワシのユニクロンが!ええい、何をグズグスしておる。奴らに先を越されるな!」
「ハッ」
「ひゃっはー!一番乗りはオレ様にやらせろ」
レーザーウェーブは一人先走り、威勢よく飛び出して行った。
「ミランダU発進!」
「どうだガルバトロン・・・どおーっ?」
レーザーウェーブは突然ミランダUに激突され、カン高い金属音を立てながら勢いよく飛ばされて行った。
「レイヒッヒ。一番乗り出来て良かったじゃねえか」

「くそー。お前らよってたかって、それでも正義の味方か」
レーザーウェーブが飛ばされた惑星、アイアンプラネットにて、彼はサイバトロン軍から簀巻きにされていた。
「勘違いするな。君の身柄は今、我々の管轄下にある」
「つべこべ言ってねえで、ガルバトロンの目的を吐きやがれ!」
「ガルバトロンだと?あんなザコの考えなんか、オレ様が知るかよ」
「何だ知らないのか」
「何だとは何だ、このオレ様に向かって。用がねえならさっさと鎖を解きやがれ」
「鎖骨を折りやがれだ?やってやろうじゃねえか、コイツ」
「待て、スカイファイヤー。その役目はウイングセイバーが相応しい」
「そうだったな。ウイングセイバー、恨みを晴らす時だ」
「何言ってんだよグランドコンボイ!」
苦々しく様子を見ていたキッカーは、慌てて彼らを止めに入った。
「こ、こだわりは捨てました」
「なあ、本人だっていやがってんだろ。無理させんなって」
「無理などでは無い。お前が望んでいた事のはずだ」
「個人的な恨みは捨てました。私は以前のコーヒー屋ではありません」
「お前の心の命じるままにしろと言っているんだ」
「自分一人のこだわりのために、これ以上多くの物を犠牲には出来ません」
「心は自由だ。自分の心まで失うな」
「だったらなおさらこんなのに付き合う必要はねえぜ・・・おい?ウイングセイバー」
ウイングセイバーは、いつの間にかすっかり目が座っていた。
「やれ、ウイングセイバー」
ウイングセイバーは、レーザーウェーブの肩フレームを折りに入った。
「バ、バカな・・・離せ、本当に折れるぞ貴様−・・・どひゃあっ!」
「ザマぁ見ろ。元はと言えば店がつぶれたのはお前のせいだ!」
ウイングセイバーは、続けてもう片方の肩フレームも折りに入った。
「お前が食い逃げをしなければ、こんな事にはならなかったんだ!」
ウイングセイバーは、更に首フレームも力任せに折りに入った。
「借金漬けの生活を送らねばならないのも、ミーシャさんと結婚出来ないのもお前のせいだ!」
「のはぁーっ、う、うおーっ・・・だ、誰かコイツを止めてくれぇっ!」
「やめろよウイングセイバーやり過ぎだ!グランドコンボイ、責任持ってなんとかしろよ!」
「ハハ、私は何もしてないぞ」
「司令官の足が臭いのも、トイレに行った後手を洗わないのも、みんなお前のせいなんだ!」

「あった、あった。デストロン反応はこの星からですぜ」
「全く世話の焼ける奴だ。あのおろか者めが」
「ジャマニナルダケ。アンナヤツ助ケル必要ハナイ」
「仲間割れはよさぬか、ショックフリート」
「ガルバトロン様、この星動いてますぜ」
「何を驚いておる。星が自転や公転をするのは当たり前ではないか」
「そうじゃなくってですね、なんか我々から逃げてるみたいな・・・」
「ショクショクショーック!ナンデストー」
「なんだこの星は!このワシに逆らおうと言うのか、ふざけおって」


解説

本物の方がニセ物よりも愉快な事を言われても困るのですが。ホントにタイムリーだわ。
えー、今回もほとんどそのまんまです。前回全く出番がなかったデストロンの連中が
なぜかいきなり出てきやがってますが、毎回デタラメに作ってますので気にしないでください。


第30話  「業火!ジャングルプラネット」


すっごいコトにしてみた感想

未知なる宇宙にて、サイバトロン軍一行は、緑豊かな星ジャングルプラネットへと降り立った。
「ヘルメットを取れよミーシャ、久し振りにうまい空気が吸えるぞ」
「ああ、吸えるぞ」
「ロードバスター、お前に空気の味が解るワケないだろ」
キッカーのツッコミに対し、ロードバスターはゴキゲンで走り回っている司令官を指差して見せた。
「新鮮な空気はいいものだな、インフェルノ」
「ええ、ラジエーターから五臓六腑に染み渡ります」
「ハハハ、サージタンクにしっかりため込んでおくんだぞ」
「なんなんだコイツらは。こんなジメジメした星のどこがいいってんだよ」
「ん?何か言ったか、レーザーウェーブ」
「いえ、地球もこの様な素晴らしい星なのでしょうか、グランドコンボイ総司令官様」
「ああ。セイバートロン星にだけ全ての資源があるのではない、覚えておくが良い」
「そうですか、オレ様も早く行ってみたいものです。インフェルノの兄貴は2度行かれたんでしたっけ?」

「な?」
「そんなのありかよ・・・ん?どうしたウイングセイバー、さっきからシケた顔して」
バツが悪くなったキッカーは、近くにいたウイングセイバーに話を振ってみた。
「私はグランドコンボイ司令官に教わりました、心は自由だと・・・しかし、その心まで変えられてしまったとしたら」
「あんまり気にすんなって。お前は真面目過ぎんだよ」
「そうでしょうか」
「だからそうふさぎ込むなって・・・あ、アイツらは・・・」
キッカーは、デストロン達がこちらに向かって姿を現したのに気が付いた。

「ワハハハ、コンボイはこのワシがやる。ショックフリート、エネルゴン集めはお前に任せたぞ」
「ワカリマシタ・・・ショクショクショーック」
「あれれのれ?」
「どうしたスノーストーム」
「なんかサイバトロンが増えてるみたいなんですけど」
「馬鹿者!雑魚の一匹や二匹増えた所でそれが何になると言うのだ、くだらぬ」
「でも、いいんですか?アイツ」
スノーストームは、サイバトロン軍に混じりつっ立っている紫のロボットを指差してみせた。
「ぬ、貴様はレーザーウェーブ。そんな所で何をしておる、油を売ってないでエネルゴンを集めぬか!」
「・・・・・・」
「黙る奴があるか。返事はどうしたレーザーウェーブ」
「彼ならお前の命令は聞かない」
「なんだと?どういう事だ、コンボイ」
「彼は己のためだけに生きる事の無意味さに気付き、我らのために仕える道を選んだのだ」
「ほざけ」
「肩の赤いマークが眩しいだろう、それこそがサイバトロンとなった証。
インフェルノの命令も、スカイファイヤーの命令も、そしてロードバスターの命令も今の彼は聞くのだ」
「たわ言に過ぎぬわ、ワシは信じないぞ」
「ではその目でハッキリと見るがいい」
「お手」
「ワン」
まずインフェルノが、レーザーウェーブに犬の真似をさせてみた。
「可愛い奴になったな。よし、お座り」
「ワンワン」
続けてスカイファイヤーも、レーザーウェーブに同じ事をやらせた。
「貴様ら・・・レーザーウェーブに何をした!」
「なあ、首相撲でもやらないか」
ロードバスターはレーザーウェーブの首を捕まえると、容赦なく膝蹴りを彼の顔面に叩き込んだ。
「ワシの部下にその様な事を・・・く、屈辱だ」

「でもアイツ、内心不本意じゃないんですか。思いっきり不満が顔に出てますぜ」
「んだとぉ。何ゴチャゴチャ言ってやがんだ、てめえ!」
「レーザーウェーブ、いちいち怒ってんじゃねえ」
「あ、そうですね。スカイファイヤーの兄貴」
「コンナ奴助ケル必要ナイデス。スグニマタ裏切ル」
「あぁ?ちょっとこっちに来い、ムッツリスケベ野郎が!」
「心の暗黒に流されるな、レーザーウェーブ。憎しみからは何も生まれないぞ」
「そ、そうですね。インフェルノの兄貴」

「私は・・・本当に気にしなくていいのでしょうか」
「えっと、その、なんだ・・・あ、あれは」
再びバツの悪くなったキッカー達の頭上に、大きなサイバトロン軍の旗を持った集団が出現した。
「暗黒に流されしサイバトロンの戦士よ、光を見失っているならばこの旗の元に集え!」
「チームロディマス参上。元々どんな宇宙でも守るのが我らの使命でござる」
「来てしまったか。どうします?司令官」
「仕方ない。追い返してもまた来るだろうからな」
ロディマスはチームコンボイと合流すると、まずは赤い新顔に目をつけた。
「お前はウイングダガーか。どうしたんだ?その格好は」
「説明したくありません」
「彼は生まれ変わったのだ。今はウイングセイバーと名乗っている」
口を閉ざすウイングセイバーに代わって、グランドコンボイがロディマスの質問に答えた。
「ああ解ったよ、ウイングシェーバー」
「ところでホットショットはどうした?この前から姿が見えないのだが」
答えを理解してないのを無視して、今度はグランドコンボイがロディマスに質問を返した。
「ああ、そう言えばそうだったな。リンクオフ!」
ロディマスは、下にしていたホットショットとのスーパーリンクを解いた。
「行方不明だったホットショットが見つかった!」
「なんだ、そんな所に居たのか」
「随分長い間、胃や腸や足として使ってしまったな」
「胃や腸?って事はまさかてめえ、この間のダメージは全部・・・」
「パフェの醤油漬けの事か?あれはなかなか刺激的な味だったぞ。おかげで視野が広がった」
ロディマスはレーザーウェーブに向き合うと、アイスボックスを取り出してみせた。
「感謝の意を現そうと思って、エネルゴン醤油のシャーベットを持ってきた」
ロディマスは、冷凍醤油と蜂蜜の混ぜ合わせを嬉しそうに差し出した。
「君のために作ってきたんだ。遠慮は要らない、今すぐここで食べてみてくれ」

「うげ、あからさまにマズそうじゃねえか」
「歩くありがた迷惑ですね」
「さて、レーザーウェーブはどうするんだろうな」
キッカー達は、固唾を飲んで彼の様子を見守った。
「どうするもこうするも、そんなモン食わされてたまるかってんだよ!」
「あ、コラ!ロディマスに対して何と言う口の利き方をするんだ」
「大目に見てやれ、レッドアラート。彼はまだサイバトロンになりたてなのだ」
「そうだ。我々の仲間である限り、決してサイバトロンの誇りを捨てはしない」
「何が仲間だ、てめえら散々好き勝手しやがって。偽りのマークなんかこうしてやらあ!」
レーザーウェーブは、肩の赤いマークをビリッと剥ぎ取ると、新しいデストロンマークに張り替えた。
「え!あんなに簡単に取れる物だったのか」
「まるで布きれみたいに軽い扱いですね」

「我々に逆らうと言うのか。ならば倒すしかない・・・ウイングセイバー、スーパーリンクだ!」
「お断りします。自分はもう無益な戦いはまっぴらだ!司令官の命令でも動きません」
「逆らう事は出来はしない。お前の体がどうなったか知っているだろう」
グランドコンボイは懐から怪しいコントローラーを取り出し、スイッチをひねった。
「ぐうっ、ぐはあっ、うぐおぉぉっ!」
「さあ、私と共に戦うのだ、ウイングセイバー」
「負けないぞぉ、例えこの身が引き裂かれようとも・・・うっ、うぁ・・・あおぉぉぉっ!」
「お前は解っていない。なぜなら・・・」
グランドコンボイはコントローラーのスイッチを全開にして、ウイングセイバーの体を4つに引き裂いた。
「ひえ〜っ、何と言う恐ろしい姿に!」
「ショクショクショーック!」
残酷な光景を目の当たりにしたスノーストームとショックフリートは、恐ろしさの余り全身をガコガコ震えさせた。
「どんなに心が離れていても、一つの目的のためには体を一つにする事が出来る。それがスーパーリンクだ!」
グランドコンボイは、無理矢理ウイングセイバーの体を自分の手足として装着していった。
「スーパーリンク完了!ウイングコンボイと呼んでくれ」
「行かせるかコンボイ!お前の相手はワシだ」
ガルバトロンは、レーザーウェーブの前に立ちはだかると、ウイングコンボイめがけて肩のキャノンを連発した。
「どうしたガルバトロン、私はなんともないぞ!」
ウイングコンボイは、がっちりガードを固めると、攻撃を全て手足で確実に受け止めた。
「ガルバトロン様ぁ、コイツ本当になんとも思っちゃいませんぜ」
「そいつは反省をしねえ奴だ」
「コンナ奴戦ウ必要ナイデス。スグニマタ開キ直ル」
「ええい、部下を回収出来ればこんな所に用はないわ。引き上げるぞ!」

「ジャングルの平和は守られた・・・」
グランドコンボイは、デストロン達が退却するのを見届けると満足げにつぶやいた。
「ウイングセイバーの心の平和はズタボロですけどね」


解説

最初の方にウイングセイバーが出た時点でオチがバレバレですね。いつもの事ですが。
大帝様がどんどんクリーンになってく反面、司令官のダーティーっぷりが凄い事になってきてます。
本物の大帝様の方が、ウチの司令官よりも遥かに善人ですなあ。



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