ゆりの再考も兼ねてダークプリキュア親子の描写に関するおさらいと感想


ゆりさん関係の描写を追って行くと、彼らの行動の不思議さも付いてまわりますので、
ゆりさんの再考も兼ねて。
ダークプリキュアが、プリキュアを倒すために生まれた者としてブロッサム達と戦った10話から。
「私にはプリキュアを倒しサバーク博士が望む世界を砂漠化すると言う目的がある。
だがお前達に何の目的もない、そんな奴らにこの私に勝てるはずもない」
この台詞には違和感です。目的ならさっきつぼみ達も言ってたじゃん言ってたじゃん言ってたじゃん。
ここではひとまず心ない言葉だったと言う事にしておきます。
サソリーナさんに対する態度も辛辣でしたし。
「くだらない事だ。信じても勝つ事はできない、努力しても勝つ事はできない、全ては無駄に終わるのだ、
キュアムーンライトの様にな」
いつものお決まりのパターンの変形です。この後のパターン破りに繋げる以上の意味は無さそうですが、
なぜ努力なんて言い出すのか不思議でした。信じる心としか言ってないのに。
この時はとりあえず主題歌の歌詞とかけているのだろうと解釈してました。
「そういう事か、面白い」
裏を返せばブロッサムマリンではつまらない、ムーンライトの代わりでしか無かったのでしょう。
一旦退いたのは博士への意思確認の為と思われます。更に根本の視線は博士に向けられていましたから。
先程の疑問も、後から考えてみると博士の考えを代弁していただけだったのではないかと考えると
理解出来る様な気がします。
さて、この時のゆりさんの生身でダークの前に現れる行動、あまりにも無茶過ぎる点が疑問だったのですが、
ごく単純な事を見落としていました。つぼみ達同様、ゆりにとってもシプレとコフレは友です。
欠けた心のままで既に彼女は戦っていたのです。
無力でも敵に立ち向かう、妖精達が何度もとった行動ですが、この時はまだあまり印象にありません。
サソリーナをひとにらみで黙らせるダークプリキュアとの対比が、今回のゆりさんの無力さの
表現ではないかと考えています。

主人公達の敗戦からあまり間を置かない13話。
この話でムーンライトをやけにかばうサバーク博士の行動は実に謎でした。
洗脳された父親であろう点は見て取れるのですが、矛盾する行動の意図については何が何だか。
何か複雑な作戦があるのか、それともただの情か、答えはおおむね後者で拍子抜けでした。
物語上の意味は薫子さんが話した以上の内容はありませんが、後でここも掘り下げたいと思います。
「私は『あなた達と一緒には』戦えないわ」
つぼみ達への協力を断った時のゆりさんの言葉。なんだかんだでやる気自体はまんまんです、この人。

中盤の彼らはバトル以外の描写は少ないのでとばして、終盤の描写を中心にザッピングしながら。
これらの描写も全てを推し量るには情報が少なすぎるので、かなりの憶測が混じる事になりますが。
サバーク博士の仮面、あれは錯乱状態のメタファーだったのではないでしょうか。
仮面が落ちたのは文字通りに憑き物が落ちた、だからそれ以降、目の前の状況も把握できたと。
13話でのゆりさんと母との会話で、以前の彼はとても優しい性格の人物であった事がうかがえます。
48話での告白からして、心底みんなを幸せを願って活動していたのではないかと思われますが、
ただどうも一人で頑張り過ぎる気配があった様で、「みんなを幸せに出来る方法など無いと言う事でさえ
耳に入らない程に」と言う台詞を解釈すると、耳に入らないと言う事は誰か他に助言している者が居た、
薫子のカットがここに被さってますので、おそらく同じ植物学者である彼女が助言していたのでは
ないかと解釈できますが、それも右から左(聞いた事実だけは覚えている)なほど視野狭窄に陥っていた
可能性が高かったのではないかと思われます。
心の大樹に対する過信、多分これを「魔法の様に」と言っているのだと思いますが、ないものねだり
ですから行き詰まるのも当然、それを自分の優しさや能力の限界って思い込んでしまったのでしょう。
次に向かうのは他力本願、心の大樹に熱を上げてる時点で既に他力本願なのですが、とにかく
デューンと接触し、なんかヤバげな仮面を被る事になります。
ただこれ、世界を滅ぼすつもりは無かったんじゃないでしょうか。47話でのブロッサムとの戦いの最中
「人の想いなど必要ない、弱ければ何も守れないではないか」と言っていますが、そのままひっくり返せば
ダークな心と、力があれば守れる、と。まだみんなの幸せを守っているつもりで居ます、この人。

「どうしてダークプリキュアをムーンライトに似せて作ったの?」
あくまで憶測ですが、ムーンライトにトドメを刺してしまった時の為の保険だったのではないかと思います。
わざわざ薫子さんが聞くぐらいですから、ただのクローン以外の意味があったのは確実なはずですが、
理由に関してはこれまた薫子さんが言う様に自分では気付いていない、と言うかあっても忘れてます。
劇中何度も矛盾した行動をとる様な状態でしたから、おそらく論理立てた思考はしておらず、
ブツ切りの伝言ゲームみたいな思考回路になっていたのではないでしょうか。
前の行動の理屈は忘れていて印象だけが残っている、これを心のどこかに何かが引っかかっていると
薫子さんは表現したのではないかと思います。
ダークプリキュアの執着心も(孤独がクローズアップされた気配が無いので)単なる独占欲だとは考えにくく、
ムーンライトの代わりに過ぎない劣等感が原因なのではないかと思っています。


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