1話
戦い終わって約半年、東京ミュウミュウ達はキメラアニマの残党の回収任務に追われていた。 「それにしても、手がかかりますわ」 「前よりずっと忙しくなったのは確かね・・・」 「それもこれも、お前達が調子に乗って、いちごを宇宙に放り出したからだろうが!」 「お、落ち着いてください。白金さん」 「どうどう、なのだ」 「心配いらないわ。今頃あの2人は救世主として持てはやされているはず」 「まあ向こうで勝手に幸せにしてくれればいいんじゃありませんの」 「全く、お前達は懲りるという言葉を知らないのか」
「みんな、お待たせ!宇宙の海は俺の海、キラメキの海を越えて、グレートミュウ・・・」
「おかしい。東京ミュウミュウの反応が五つある」
「稜、キメラアニマが現れました」
「『カフェミュウミュウ本日4時よりケーキ食べ放題』・・・えっと、ここね」
困った事になりました。数ヶ月間このコンテンツをご無沙汰してた間、私の頭の中で元気 だったのは一人だけだったのですが、よりにもよってそのいないハズの人が帰って来て しまうとは。 しょうがないんで用意しておいたネタを逆のベクトルに使ってみた所、ようやくまわりの キャラも動き始めてくれました。プロの先生方が言う、キャラクターが自己主張を始める 領域にはほど遠いですが。使えそうなパーツをごはんつぶでくっつけてるだけだしね。 道なき道を脱線しかねない見切り発車もいいトコですけど、まあ一つごひいきに。 あ、忘れないうちになかよし本誌の感想を。 公爵の正体ですが、若者である事はいきなり最初に説明されてるんで解かりきってたこと なんですけど、あんなに早く半分顔見せするとは思いませんでした。 いかにも侑っぽく見える伏線が張られているのですが、まさか似た様な設定を二度も使う とは考えにくいですので、これは引っ掛けでしょう。 では誰かと聞かれても、情けない事にちょっと候補者が思いつけないのですが、個人的には あのとんがり帽子の下は絶世の美女に違いないと根拠レスに妄想してます。 |
2話
「圭一郎、少し気になる動きがあるんだ」 「この前のキメラアニマの事ですね」 「ああ、今までとは異なるデータが検出された。誤差の範囲かも知れないが」 「新種のキメラアニマの可能性もあり得ますね」 「いちごが帰って来れない今、新たなるμプロジェクトの適合者を探す必要がありそうだ」 「あらあら、稜も大変ですわね」 「他人事みたいに言うな!お前達のせいだろ」 「あたし達は女なの。決して戦士とは言えない」 「そう言う問題じゃないだろ!」
「イギリスの山奥で修行して、代打バッターの魂宿し、目指すは未来の大リーガー!」
「稜、準備が出来ました」
「ではごきげんよう」
「『カフェミュウミュウ本日4時よりケーキ食べ放題』・・・えっと、ここね」
はいどーも。新キャラの侑クンですが、根が真面目過ぎてどうにもギャグにならないので 女の子になってもらいました。当分の間、元に戻る事はないでしょう。 後はベリーちゃんをどう動かすかですね。今の所、環境の変化に振り回される役でしか ありませんので。征海先生の頭の中ではすでに、敵役の色男達と同じくイメージが固まって いる物かと思われますが。 それを考えると本誌での最強さんの復帰は早すぎたかなと言う気がしないでもないです。 まあどうせミュウミュウですけれども。ちなみにウチでの仕打ちは単なるイジメです。 あ、今月号の白金ですが、無抵抗なのはどう見てもワザとですね。いくら侑が腕が立つ (と思われる)と言っても、白金に勝てるとは考えにくいですから。 なんともイヤミな奴です。まああれが彼なりに精一杯の誠意なのですが。 |
3話
「・・・遅いぞ」 「すまない。ドラマの収録がおしてね」 「あー、それ『火曜サスペンス劇場・家政婦は見た、かっぽれ殺人事件』ってやつでしょ?」 都内某所、聖薔薇騎士団のメンバー達は日夜世界征服のための会合にいそしんでいた。 「それが例の物か」 「ああ、半年前に日本を去ったエイリアン達が残した物」 「それがこの東京ミュウミュウ生写真の山だ」 「しかしピンクのだけが異常に多いな」 「あ、解かった!そいつが一番強かったんだよ、きっと」 「なるほど一理あるな」 一同は大いに納得してうなずき合った。 「ところでこの昇陽軒のミソラーメン、素晴らしい仕上がりだが少々塩が効きすぎているな」 「この天安軒のワンタンメンも、豊かな味わいだが少々麺がゆで過ぎているようだ」 「確かに・・・いささか季節外れだが、ぜひ新鮮な鍋焼きうどんなど食したいものだね」 「わたしはトーストがいいと思いますね」 「公爵・・・」 「では明日の会合のメニューは・・・」 「トースト!」
「なんだったんだろう、あのお店。ヘンな人はいるし、ヘンなビームは撃たれるし」
「ケガはないですか、ベリーさん」
「ホントにあたしミュウミュウになっちゃったんだ」
「よう」
「ん・・・」
とりあえずウチでのベリーちゃんへのスタンスは、みんととざくろにとってはいちごが復帰する までの間はオモチャ扱い、歩鈴にとっては遊び相手、れたすは新入りに対して遠慮してるんで オロオロ係、といった所でしょうか。 白金は何だか怒ってばっかりですね。本物とはベリーちゃんにとっての印象が正反対になって しまっちゃってますし。 まあギャグって事で大目に見てくだせえ。 |
4話
「おはよーパパ」 「おはよーございますベリーさん。最近、珍しくちゃんと起きてきますネ」 「うん、なんだか音がうるさくて・・・」 「ベリー、おっはよーっ」 けたたましい足音を立てて、目黒侑が白雪家のリビングに乱入してきた。 「うお〜っ、朝っぱらからかわいいぞ、ベリー」 「たすく!!あんたねえっ、いくら幼ななじみだからって・・・」 「そんな事ゆーなよ。俺達は生まれた時からずっと一緒に暮らしてきた仲じゃないか」 ベリーの文句を軽くあしらうと、侑はギターを抱えて歌い始めた。 「ではベリーのかわいさを称えて・・・愛しても〜憎んでも〜ルルルル〜ルルルルル〜♪」 「ヒトん家で騒ぐなあっ!」 「細かい事は気にしない気にしない」 「気にするってば!そもそも毎日毎日ウチに不法侵入してくんなーっ!!」 「いーじゃん別に。いずれは結婚して一緒に・・・」 「相変わらず冗談がお上手ですネ」 「おはよーございます、おとうさん。今日もエプロン姿が素敵ですね」 「たすくさんこそ、セーラー服がよくお似合いですヨ」 侑に誉められ、ベリーの父は社交辞令を交わした。もちろん侑が突然女の子になったとは 知る由もないので、自分と同じく女装趣味に目覚めたと思っている様である。 「ああっ、もうこんな時間」 ベリーは、ろくに朝食も取らずに家を飛び出した。 「ベリー、忘れ物!」 侑はベリーに向かってトーストを放り投げた。 「ありがとなのだーっ」 突然、サルの様に身軽な少女が現れ、曲芸ばりのジャンプでトーストを横取りした。 「あたしのトースト返せー!・・・って、ミュウミュウのみなさん?」 「おはようございます」 「今日から、あなたと同じ学校の生徒になったの」 「さ、行きますわよ」 「え?今日からって何でこんな時期に?受験は?募集枠は?」 混乱するベリーを引き連れ、ミュウミュウ達は代官山学園に向かった。
『あのかたは藤原ざくろさまではないかしら?』
一方、都内某所、聖薔薇騎士団のメンバー達は今日も世界制服のための会合にいそしんでいた。
「皆様ちょっとよろしくて?今から、1ヶ月の特別講師にこられた先生をご紹介します」
「自販機は・・・ああ、あれか」
ブッ壊しついでにいじくってみた所、ただ単に騒ぎたいだけの迷惑なヤツになっちゃいました。 本物の方のいい男っぷりが台無しですね、ウチでは女ですが。侑ファンにはごめんなさいです。 ロイヤルハイネスも、自信家のナルシストのハズが、ロリコンの小心者みたいになっちゃいました。 いきなりあさっての方向につっ走っちゃって、収集つくのかなあ、コレ。 で、なかよしの感想。ベリーの父ですが、侑の台詞で強調されるまで、素で気づきませんでした。 人間、見かけに結構だまされるモンなんですねえ。 |
5話
「変態・・・この僕が?そんなはずはない。ちゃんと誤解を解いてあげよう」 秋月先生は、冷静に危機的状況に対処しようとして立ち上がった。 しかし、手にした棒きれをスカートの端に引っ掛けてしまった。 「いやっ、へんったあいっ!!」 「お、落ち着きたまえ白雪くん。よく見ると、君は綺麗な髪の色をしているね」 「あっ、おばあちゃ・・・祖母が名古屋出身で・・・」 「瞳も不思議な色だ。瞳とは、己の心の中を映し出す鏡の様な物」 「さあ、僕の瞳を見てみたまえ。何が見えるかな?」 「何か文字のような物が見えます」 「文字・・・?」 「『やはりお嬢様はいい。ここはまさしくシャングリラ』・・・いやっ、やっぱり変態っ!!」 「くっ、たかが子ウサギの分際で、僕のプライドに傷をつけるなんて・・・」 秋月先生はベリーの目の前で、白塗りの男へと姿を変えた。 「あなたは一体何者?もしかしなくても本物の変態さん?」 「変態ではない。僕の名はロイヤルハイネス。近い将来、試験に出るから覚えておきたまえ」 「僕の使命は君の・・・白いミュウミュウの抹殺のみ!」 ロイヤルハイネスは、右手をあげると蝙蝠型のキメラアニマの群れを召還した。 「白?いやあっ・・・じゃなくって、どうして・・・」 「キメラアニマだ。ミュウベリーの出番だぜ、お嬢ちゃん」 「でも、その・・・ほら、変質者はやっぱ警察に・・・」 「ケーキ食べ放題」 「おうよ!ミュウミュウベリーメタモルフォーゼ!」 ウチャの口車に乗せられ、ベリーはミュウミュウに変身した。
「うお〜っ、ミュウミュウ姿もかわいーぞ、ベリー!!」
「焼きそばUFOはまだー?トンカツはもう買っちゃったよ」
「えっと、危ないヒトから助けていただいて、ありがとうございました」
活字を拾ってみると、ロイヤルハイネスって何だかいちいち偉そう。こりゃあこっちでは妙に スケールが小さくなるワケだ、道理で。からかい甲斐はありまくりでした。 あ、そうそう。なかよしの感想ですが、理事長の存在については前の月にちゃんと伏線が 張られているんですね。ふてぶてしくも理事長室に奴が鎮座してやがったのには、いかにも ミュウミュウらしくて大笑いさせていただきました |