フラッシュ!奇面組感想



1話(2001年10月号)新学期チコク防止作戦の巻


我々は、この少女を知っている!いや、このタレ目とポニーテールを知っている!

四角いロゴの少年誌の、この表紙!何もかもが昔のままで懐かしいですなあ!
・・・と思いきや、ページをめくるとセーラー服!
「誰も、ハイスクール!奇面組をやるとは一言も言っておらんもんね。」とでも言いたげな
作者のアカンベーする顔が目に浮かんできそうです。
しかしまあ、この自称ヒロインの千絵ちゃん、よく喋りますなあ。
「いきなり1年で、あたしがこんなブリブリモンチッチや変態毛虫男と仲良くなるワケない
じゃない!なあなあの関係なんて、あたしは認めないつもりだからね!聞いてんのか、
ええオイ作者!」ってな感じで。

登場!にぎやかな人達

ヒロインの前に姿を現わす、目立つ素行の人達。とりあえず注目したいのが、腕組の塊くん。
バッグから複数のスポーツ用品が顔を出している所を見ると、おそらくかなりのスポーツに
秀でておるのでしょう。クラブ活動の掛け持ちなんかをやっているのかも知れません。
御女組の邪子さんもユニークです。よく見りゃ火の付いてない煙草なんぞを咥えて歩いて
いますね。歩き煙草は危険な場合があるので、彼女なりに周囲に気を配っているのでしょう。
はたから見ると、変人そのものですが。

なんで、あの子たちだけ知り合いなんだろ?

見てるだけのヤジ馬が、なんか言っています。
その子たちをダシに、何が言いたいのかは知りませんけど。

登場!にぎやかな顔の人達

親切にも自ら声ををかけて来る者、図らずも注目を集めてしまった者、アプローチの仕方は
違えど、どうやら彼らは普通の思考回路は持ち合わせていない様です。
そしてちょっぴりワガママな様でもあります。
さて、彼らはこれから一体どんな突拍子もない事をしでかしてくれるのでしょうか。

時間前から校内にいたならば、少なくとも校門には挟まれないハズ!

期待通り、やってくれました。何か変わったテントだと思ったら、お子様プール!
人並みの準備も出来んのか、お前は!
しかしどうやら転んでもタダでは起き上がりたがらない様子、その場でテントらしき物体を
デッチ上げてしまいやがりました。材料は全部、無断借用ですけど。
ホントにワガママだな、コイツら。ワガママ=個性ではありませんが

キミとボクとは違う生き物だから

テント造りでは見事な団結を見せた彼らですが、それぞれの嗜好はかなり異なる様で、
それは寝間着姿一つ取っても明らかです。さかのぼって、一度家に帰りかけた時も
各々スタイルが異なりますし。
故に必ずしも個人の常識がメンバー全員に当てはまるとは限らない訳でして、運の
悪かった一人が見事に振り回されてたりしてます。


総括

幅広い読者層を意識した気配りが、巧みな計算で織り交ぜられた良作でした。
個人的にはお子様プールがバカ受け。まさかソレがやりたいがためにワザと?
それとは別に、ちょっぴりオチャメさんな所があるのも見逃せませんね。


2話(2001年11月号)対決!秋の器械体操の巻


太ももまぶしい季節ですね

扉絵の潔くん、なにげにベストポジションを確保してます。
本編でもやっぱり体が硬かったり、こむら返りの表現がミョーに正確だったりと、なかなか
オイシイ描写が目白押しです。今回のベスト助演男優賞ってトコでしょうか。

体力キビしい年頃ですね

学校の先生というのは、分刻みのスケジュールで行動しなければならず、実際ハードな職業
らしいのですが、それにしてもいきなり「わし」とはビックリです。
見た目によらず・・・いや、見た目以上に老けた先生だなと思ったのですが、この後ひたすら
若者達と冗談の応酬を繰り広げている所から判断するに、おそらく軽い冗談のつもりなの
でしょう。
途中で授業をフケて用事が終わってもなお、様子見にかこつけてちゃっかりイチャついて
たりする性格のようですし。

完全に差をつけたいという過信の現れ

やたらと挑戦的な名物集団、腕組。ただの喧嘩ではなく、「みんなの注目を集める事」と言う
同じ土俵で勝負を挑むあたりがなかなか紳士的です。
もっともバック転に熱中するあまり、周りの動向に気付いていないみたいですが。


総括

1話と同じく、サービス精神と反骨精神がふんだんに盛り込まれた話でした。
「トンボ返りなら〜」という台詞のトリプルミーニングがそれを如実に指し示しています。
ただ個人的には、仮にパラレルワールドであったとしても決して彼らが積み重ねてきた
過去が否定されるワケではないと思うのですが・・・。まあ、どうでもいい事ですけど。
やろうとしている事のとてつもないデカさには、素直に驚愕いたします。
とりあえず今回は豪くんのバックブリーカーがツボでした。
ついでに今後の予想。12月はクリスマスがらみで御女組、1月はお年玉がらみで番組、
2月はバレンタインがらみで色男組、3月は受験がらみで骨組、4月はエイプリルフール
がらみで志賀津くんの話が来るに違いありません、きっと。


3話(2001年12月号)道草奇面組の巻


帰ってきた転校生

・・・などと先月書いていたら、まさかの真実君登場話!流石はプロです。ストロング
スタイルな反骨精神が実に小気味良いですね。
さて、見た目はちょっぴりマトモになりながらも、不名誉な俗称がついてしまった彼は
今回どんな騒動に巻き込まれてくれるのでしょうか。

スカとはスカなんだ!

「きのうの回想」に至るまでのわずか数コマで、新キャラ真実君の目的と、「昨日」の事の
顛末が過不足なく説明されています。しかも導入部は4コマ漫画と言う凝りようです。
いつもの事ながら、フラッシュ!の画面に織り込まれた情報量の多さには感服いたします。

ツケる〜誘う〜そして奇面組にたか〜られ〜る〜

ご期待通りに早速、ファスナーを内側から開け閉め出来る変態男にたかられてます、この男。
仮にたこやき1パックを300円と見積もるなら、彼の所持金は2500円で、結局残金は40円
ってトコでしょうか。骨の髄までしゃぶり尽くされてますなあ。

ただの「ひとり上手」だ!

予定とは大分違う形ながらも一応は河川君をエスコートするのに成功した真実君。何とか
自分に気を向かせようとするも、一人で勝手に画策し、一人で勝手に暴走してます。
あいかわらず一人遊びが得意な性格の様ですね。

変態は忘れた頃にやってくる

唯ちゃん達のピンチに、真実君同様、読者の頭からはチョッピリ忘れ去られていたような気の
する奇面フラッシュが炸裂。ちゃんと、振り向くだけでカラスを退散させたシーンが前フリに
なっている所が何気にしっかりしてます。


総括

解かっていない批判にさらされる事がツラい。と、つまりはそう言う事なのかね?
素材の料理の仕方が実にこなれて来ていて、大変美味しくいただけたお話でした。
あえて一番王道であるが故に最も険しい手段を選択し、それをかなり確実にモノにしつつある
事に敬服いたします。
ラストのコマの真実君の解かってなさ(零君の指に注目!)が、またイイ味出してます。

今回のツボ
「どさくさまぎれに妙なこというなっ」
(水の上を)「ひとっ走りいってくるぜ」


4話(2002年1月号)大みそか!一堂家の人々の巻


霧ちゃんは小学生

中学生でも小学4年生でもなく、小学生です。今更言うまでもない事ですが、髪型もキャラクターの
性格も、わざわざ3年奇面組当時に近づけて描かれています。
個人的には、ここまで気を使っていただかなくても、とは思うのですが。
どう控えめに見ても、過去をないがしろにされているワケではございませんし。
届け物は何ですか?見つけにくいモノですか?

じっちゃん、台詞だけで登場。今回は何やら、画面の外にもキャラの存在を匂わせる描写がチラ
ホラ見受けられます。何とも贅沢な作りですね。

襲来!北海道の巨大(9人で分けたらちょびっとだけど)毛ガニ

今回、完全に主役を喰う活躍を見せてますね。もし、敷居をまたいで隣家に侵入していたら・・・。
とかの妄想を膨らませてみるのも楽しそうです。惜しい人を亡くしてしまいました。

ロック・スターの悲劇って・・・

今回はツッコミオンリーのヒロイン達。上と下とで言葉合わせの遊びでもやってるのかと思いきや、
本当に自分の名前の入った服を着てたんですか。これまた買い物の場面をあれこれ想像してみ
るのも楽しそうです。

ドリルでルンルン

タイミングの悪い来客(正確にはカニの方かな)にとまどう父ちゃん、人様の家では(比較的)行儀
の良い潔、叔父さんの家よりもリラックスしちゃってる豪、早速箸を伸ばそうとしている仁など、
ちょっとしたリアクションの細かさが、いつもながら見事です。


総括

カニ同様、新鮮な食材が大変美味しくいただけたお話でした。
安易に予想のつく手段は用いず、手を替え品を替え新しい姿を模索していく探求心には、心底
敬意を表したいと存じます。
来月は、どう出てくるのか、今から楽しみです。

今回のツボ
「う・・・うろたえるなみっともない!」
「ジャキーン!」(よりにもよって一番役に立ちそうにないクリスマス用品)


5話(2002年2月号)新春  校内雪祭り大会の巻


自由に生きるのは難しいけど

自分の意志でか、はからずも全力で書き込んだ結果がこうなのか、ある者達は黄色い声援を、
ある者達は野太い歓声を、そしてある者達は男女問わず罵声を浴びながら、 笑われ者どもが
表舞台へ引っ張り出されて来ました。どうやら今回は賑やかな話になりそうな雰囲気です。
いちいち書くのもバカらしいけど、赤点=頭が悪いと言うワケではありません。
紙の上でミスしないだけの能力なんぞ屁みたいなモンですので。

まずは正攻法

セオリー通りに行けば、当然一歩リードするのは体躯にまさる方ですね。
思惑通りに行かないと見るや、すかさず茶々をいれる、伊狩先生がちゃっかりしてます。
ところで真実、お前まだ奇面の練習とかやっていたのか!?なんて執念深いヤツなんだ。

ところがどっこい

オッドマンの登場でトップに立つも妨害工作を受ける奇面組、してやったりと思っていたら自分
も一杯食わされていた番組、と各名物集団の思惑が交錯した足の引っ張り合いが非常に目を
楽しませてくれます。やっぱりデスマッチは、こうじゃなくっちゃ盛り上がりませんね。

よく考えるとこいつらも無駄にハデな気が

あくまでルールの範疇で戦うのが、実にスポーツマンらしい腕組。優れたアイディアのパクリは
常套。むしろその場で自己流にアレンジできるセンスがなかなかイカしてます。
どことなく、塊クンのジャンプ台になってる筋力クンが、縁の下の力持ちを連想させますね。
2話ではカッコ悪かった腕組ですが、今回はウケも取れてオイシイかも。
エッチとスケベ

相変わらず潔クンは色男組と相性が悪いですね。いや、むしろ良いのか?
それはそうと石砂先生、相変わらずザル審判。どうやら白くて四角い雪の上はルール無用の
無法地帯と考えた方が良さそうです。

志村、後ろだ、後ろ!

極めて自然な流れで、あからさまに怪しい行動を取るこの男。しかも西南先生からは丸見え
なのでは?まあ、この先生なら何も言わんか。伊狩先生ならともかく。

わっ石砂先生、なんて器用なことをっ!?

動機と過程はともかく出来上がったメンバー達の努力の結晶、たぶん最初に顔を描き始めた
のは零クンあたりでしょう。腕組の絵心の無さがほほえましいですね。
全滅はギャグ漫画の宿命って事で、御愁傷様でした。


総括

ある意味、前回がやや地味な話だったためか、今回のは派手にショーアップされた、見事な
プロレス漫画でした。
実にバランス良く配分された、ならず者集団たちの無法ぶりが大変見モノで、いつもながらの
気配りに感心いたします。
集団キャラクターギャグを思い起こさせる展開が、とても楽しゅうございました。

今回のツボ
「赤点保持者に混じって・・・」
反則三昧な番組と御女組(って言うか、腕組以外全員反則に近いですが)


6話(2002年3月号)どっきりバレンタインの巻


伊狩先生、指!

ツメてしまいそうで怖いです(まあ、あれだけ離れていれば大丈夫でしょうけど)。
石砂先生が避けるのもムリはありませんね。
千絵ちゃんのは、まがりなりにもチョコには一応見える様ですが、こちらのは食品としての形容すら
許されていない模様です。たぶんオイチく食えるハズですけど。

奇面キャッチャーちょっと欲しいかも

まんまクレーンゲームな仁クン。ミッション実行中、真剣>至福>満悦、とめまぐるしく表情が移り
変わります。食べ物にかける、彼の情熱がにじみ出る描写ですね。

一回だけじゃもの足りないから

「いっきに降ろせだと?」・・・彼の名は冷越豪。ジェスチャーを誤訳するのが得意な男。
またの名をクラッシャー豪。やっぱりチリトリを作っている様には見えない男。
そして、被害者の名は出瀬潔。またの名をムキ歯の潔。顔じゅう大ピンチの時でも、アワ吹いて
ひっくり返っている時でも、そうめったには口を閉じる事のない男。

なんですってぇ〜!?

はい、びっくりしました。修学旅行の時のお姉サマがたが登場して来るとは思わなかったです。
よく見りゃ、1ページめで彼女らがいると思われる場所は、伊狩先生の立ち絵でしっかり隠してある
んですね。芸コマです、センセ。

ま、せいぜいスキを見せないことだな

ひとり上手が得意な真実クンがモテてる!・・・そう言えばルックスとかはいいんでしたっけ、彼。
照れたそぶりを見せつつも口の端が微妙にほころんでたりする辺りが実に微笑ましいです。
そんでもって影で大笑いしてるんだろうなあ。セコく。
混ぜるなキケン混ぜる気なかったんでしょ?千絵ちゃん

千絵ちゃんのチョコ、4人分いちいち違うのが細かいです。特にジジむさい潔に一番オーソドックス
なタイプを渡している辺り。

てめー覚悟はいいかよ!?

「スキです」でも「つき合ってください」でもなく「受験勉強がんばってね」ですか。
この、微妙〜〜〜な表現の機微がたまりませんねえ。
「まだそういう感情ない」発言を律儀に守ってらっしゃるんですねえ。細けえ。


総括

以前、展開の予想なる冗談 を書きましたが、まさか「バレンタインに色男組」まで外して来た上、
ああいう形でからめてくるとは思いませんでした。
今回の話は時期的な背景を読み取らないと、論が分かれるかとは思いますが、せいいっぱいの
気づかいとくすぐり、いつもながら嬉しく存じます。
次は大きな転換点。どう話を持って行くつもりなのか、心待ちにしています。

今回のツボ
「チョコですかやっぱり
「いっきに降ろせだと?」


7話(2002年4月号)ピンチ!チャンス!ピンチ!?の巻


総括

言いたい事がないワケではありませんが、今回の話は非常に面白かったです。
正直、前作との違いをここまでハッキリ描写されるとは思っていなかったのですが。
おそらく旧作では、ずっと思いえがいていた高校像と言うのは存在しなかったのでは
ないかと思います。ただ、「強がってみても・・・」の台詞から判断するに、その時の
状況が本意であるとは考えにくいワケでして。
まあ要するに、今回の唯ちゃんの描写はキャラクター性が損なわれたワケではない
ので私としては大歓迎です。むしろ、昔とちょっと違うだけの描写や、描かれていない
設定が出てきたぐらいでガタガタ騒ぐ方が問題かと。
過去の亡霊ではなく、「今」を生きている漫画なのですから。
何よりキャラクターがのびのびと動ける足場が固まった事を、大変嬉しく思います。
・・・あと、毎月ご苦労様です。
腰をいたわる努力、眠らない努力、原稿を汚さない努力、本当に恐れ入ります

今回の注目キャラ

何と言っても千絵ちゃんでしょうね。一平クンやその他のキャラ相手に、おちょくり
おちょくられ、やっぱりガニマタで。今までのフラッシュ!の中で一番のびのびと
動いていたと思います。

今回のツボ

「なんであたしの姿まで消えちゃうのよっ!?」
「必殺・・・ワク線コマごとギロチン!!」

今回のニヤリ

何だか背後霊の様なお姉様方。しかも嬉しそう。
昔よりリッチになった河川家。
ほぼ陸奥先生に間違いないと思われる人物。


8話(2002年5月号)さらば一応中の巻


総括

キャラクターが生き生きと動いており、安心して読めるお話でした。
ただ、「一先」+「応生」−「先生」=「一応」みたいな、おそらく文庫版を
読めば解かるんじゃないかな〜と言った説明にページを割くのはちょっと
勿体無い気がいたします。
その辺はサラッと流しちゃって構わないんじゃないかと思います。

今回の注目キャラ

やっぱり伊狩先生ですね。ここで早くイベントを持ってくるとは意外でした。
これでイカリコングも見納めかと思うと、さみしくなりますね。

今回のツボ

「ご、豪くんあれでもみんな先生だぞ」
タイミングの悪い石砂先生。  <いい人だ・・・。
燃えつきた表情の仁クン。

今回のニヤリ

表紙からしてヤル気満々の伊狩先生。
背景のトーンに巧みに隠されている唯ちゃんの漫符。
謝恩会にて、ちゃっかり透明な液体を飲んでいる豪クン。


9話(2002年6月号)新学期高校デビューなのだの巻


総括

新顔総まくり、ドリフを思わせるドタバタ など、新展開にかける意気込みと
気合が伝わってくる力作でした。スピーディーに読めて面白かったです。
今回は、鉛筆画の効果が特に目立つのではないかと思いますが、3年6巻を
見れば解るとおり、先生は精密な鉛筆画を得意とされている様に思われます
ので、使い方によっては面白い効果が期待できるのではないかと存じます。

今回の注目キャラ

高校からの新キャラが多くて迷うのですが、とりあえず織田さんでしょう。
テンポの良い切り返しが健在な様で、なによりです。
こういう贅沢が味わえるのが、本当に嬉しいですね。

今回のツボ

文字通り、人ゴミをかきわける真実クン。
真実クンと二階胴クンのやりとり。目だけで振り向く無表情さもヨイ。
「ふ〜さすがに連結器の上はつかれるぜ!」

今回のニヤリ

「だからなんのために?」  <そういう発想がないんですねえ。
真実クンの頭上でプラプラ揺れてる吊り革。
ニヤリ・・・とは違うケド、二階胴クンの頭の上にある矢印は?


10話(2002年7月号)若人先生とドッジボールの巻


総括

非常にノリが良く、個人的には今までの中で一番楽しく読めました。
ちょっと調べてみた所、今回の題材に使われたドッジボールと言う競技は
麻雀よろしくローカルルールの発生しやすい、融通の効くスポーツである様です。
何でもアリな奇面組には妥当なチョイスだったのではないでしょうか。
何より、「まだ場慣れしてない若人先生」と言う今ならではの旬なネタを体験できた
事を実に嬉しく存じます。
ただ今回、絵に関しては新しい試みが感じられず、フラッシュ!ならではの魅力が
伝わってこなかったのは残念に思いました。

若人先生の場合

新米教師・・・いや、箱入りお嬢様がビシッとした所をみせようとするのですが
決意だけで、いきなり何も考えていなかったりとか、親の力を当てにしたりとか
しまいにゃ自分で「じぇんじぇんダメダメチーム」 なんて言い出したりとかして
逆にこれっぽっちもビシッとしていない所をむしろアピールしまくっちゃっている
所が愉快です。

真実君の場合

二階胴クンとの仲の悪さが、実に青春していて素敵です。反目し合ってる・・・と
言うより真実君の方からかなり一方的にケンカを仕掛けているのですが。
やたらとオーバーな表現の、渾身の一球や、若人先生のコトよりも自分の保身を
優先するセコさもイイ味出してました。

セクハラ男の場合

今週もヤラレ役で、ご愁傷様でした。外野への退場際に冷やかしを入れて行く辺り
言い逃げっぽくてとってもステキです。

今回のツボ

「そのくらい頼めばお父様の力でなんとでもなりますわ」
「お野郎方」  ・・・スゲー言語センスだ
ついレシーブしちゃう若人先生

今回のニヤリ

「そ・・・そこまでいってませんけど・・・」  <若人先生とは正反対の図々しさ
「ワーッ」×2(よく見ると意味が全然違います)
「さっきまでヤル気なさそうだったのに」(でも顔は無表情のまま)


11話(2002年8月号)学食はこりごりなのだの巻


総括

設定の盲点を突いたキャラクター達に意表を突かれました。
終始徹底して画面のあちこちを這い回る虫達や、確信犯的なおばちゃん達の言動が
くわせ者達の巣窟な雰囲気を醸し出していて楽しく読めました。
贅沢を言えば、パーフェクトな空腹ではなかったとは言え、あの仁クンを負かすほどの
ジャンボカレーが、ただのすげーまずいカレーとどう違うのか、大きさ以外の「格」を
見せつける描写があと一つ欲しかったと思います。

今回の注目キャラ

学食のおばちゃん達でしょう。治外法権さながらの強欲っぷりが新鮮でした。
仮に新校舎が建つ前から働いてる人達だとすると、きっと建て替えの際にゴネるだけ
ゴネて手が付けらんないから、そこだけ旧校舎のまんまにされちゃったんでしょうなあ。

今回のツボ

「ただの貯金箱」  <壊れたまんまメンテしてないんでしょうねえ
「きさまにゃ1円もやらん!」  <ごもっともで

今回のニヤリ

おそらく、おにぎりが入っていたかと思われるソレ
あたかも眼球がそのまま巨大化したかの様な豪クンのまなこの飛び出し方
孤高の存在な織田さん


12話(2002年9月号)ねらわれた番組の巻


総括

久々活躍の名物集団。振り返って見れば、バルタンDやら受験やら新学期やらでイベント続き
だったなあと。
今回の話はキャラクターの組み合わせが理にかなっており、非常にカッチリした構成だったと
思います。ここ最近の ページ数の変動に惑わされる事のなく、安定して読めました。

さすが番長、考える事がセコイ!

これまた懐かしいキャラが・・・。とにかくセコく見栄と沽券にこだわる彼は、考えてみれば
妖クンとは逆の性格であるワケで(さりげなく腕力自慢をしている辺り、妖クンにも見栄は
ありますけれど)、今回の人選はベストマッチだったと言えるでしよう。
それはそうと、どうでもいいけどアゴの分だけ何か身長が縮んだ様な?

なんスか、やけにハナの下の長い後輩

くだらない事を排斥したら、もっとくだらない事に巻き込まれてしまった彼。言葉の端々に
番長に対する無関心さが現されています。
注目したいのは「一応中ん時から、かってに人がそう呼ぶだけっス」と言う台詞。
言われてみれば、初期の名物集団のおおむねは他称なんですよね。
すなわち彼らは、謀らずしも注目を集めちゃってるんですね。それが名誉か不名誉なのかは
解かりませんが、ダテにはみ出し者はやっていないぞと言った所でしょうか。

硬軟自在な男

アゴでは衝撃を吸収できても、足では衝撃を吸収できないこの男、他のキャラがからんでくると
途端にイキイキとしてきやがります。ピンだとつかみ所がないせいでしょうか、なんとも不思議な
キャラクターです。

今回のツボ

とりあえずほっとかれる奇面組
男らしく人質をとる番長
バラバラに砕ける零クン
流れアゴ。

今回のニヤリ

心ン中でにやけてるであろう妖クン
「ちょっとトイレに入っている間に・・・」  <長かったんだネ
突然、唯ちゃん達に話題を振る零クン



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