ハイスクール!奇面組

アニメ最終回考察



本人、DVD持っておりませんので、当時TV放映を録画したテープを根拠に話を進めますが、
情けない事に「唯ちゃんの麦わら帽子」の途中でテープ切れを起こしてしまってますので
私はこの話の結末を知りません。よって、一部憶測が混じっている事をご了承下さいませ。
ちなみに唯ちゃんが何かを指差した所までです。
まずはその「唯ちゃんの麦わら帽子」から。
この話は異色作です。真実くんと二階堂くんの二人は、かなり以前から公認カップルがいるにも
かかわらず、なぜか唯ちゃんにアタックをかけてきます。「何をいまさら」な感じで。
さらにはまた、これらの誘いを断りきれない唯ちゃんも、どう言う訳かそこにいます。
とても、「みんなふたまたかけてんだもん。」(5巻P161)の唯ちゃんだとは、狼藉を働こうとした
ラッシーにローリングソバットをかます(H7巻P65)唯ちゃんだとは思えません。

どこが異色作かと言うと、いつもと同じキャラであるのにもかかわらず、ちょっと有り得そうにない
世界が展開されているんですね。あたかも、毎週流れてくる主題歌の中の世界の様に。
原作からの逸脱自体はいつもの事ですが、この話のはとりわけ違和感が大きい様に思えます。
当時の雑誌を読む限りでは、次の総集編は本来ナイターの中継が入る予定、
つまり本当は放映されない予定の話だったようですが

すんませんホントはこの間に三重の塔の話があるみたいなんですけど、 劇場版なんで本筋には影響ないってコトで
見逃して下さい。

わざわざそんな話を入れた真意は、次の「緊急指令!全員集合せよ!!」で明らかにされます。
なんと、アニメの奇面組は漫画と同じ顔で同じ町に住んでいる、なんともボーダレスな役者さん
によるお芝居だったのです。

考えてみれば、アニメの奇面組はアイデンティティを強調するような形でキャラの性格が誇張
されています。原作から感じ取られる、ある種の線引きの様な物があまり存在しません。
それもそのはず、アニメの奇面組を作っているのはアニメスタッフの方々であって、新沢先生
ではありません。全く同じ物は作りようがないのです。当たり前の話ですが。
毎週流れてくる主題歌のアレは、「オレたちはオレたちなりに、エンターテイメントをやらせて
もらうぜ!」と言う製作者側の主張だったのではないでしょうか。
よく見りゃ、この総集編でも使われてる第1話の1シーンにて、仁くんや豪くん達が校舎の壁
を紙切れ同然にビリッと破いてしまうシーンがあります。まるで、「この校舎は作り物だよ。」
とでも言わんばかりに(チョットうがち過ぎかも知れませんが)。
尺の都合からか、伊狩先生が日寄ってる様にも見えるので手放しではホメれませんけど、
そして迎えた最終回「一応高の人気もの・ひょうきん奇面組解散」。この話で作り手側が
選んだ語りの方法は、「もしも、奇面組と全く逆の事をするヤツがいたらどうなるか」と
言うものでした。なんか、ドリフみたいですけど。

劇中、零くんは漫画じゃなければ死んでた様なダメージをくらった事により、いつもと性格が
正反対になってしまいます。
それからはキチンと掃除をし、家事を手伝い、早起きをして仲間の面倒を見るという、マジメな
好青年ぶりを発揮・・・するのは良いのですが、そのうち同級生に対し「女の子は女の子らしく」とか
「私の予習したノートを使いたまえ(訳:お前はバカだ)」だとかの暴言を臆面もなく吐き始めます。
さらには勝手に奇面組を解散するなどと言い出し、仲間に自分の主張を押し付ける始末。

こんな零くんのヤなヤツっぷりは、千絵ちゃん達によるショック療法が未遂に終わった所で
いよいよクライマックスを迎えます。
彼をかばった唯ちゃんに礼を言うでもなく、なぜ千絵ちゃん達が彼にリアクションを起こした
のかを問いかけるでもなく、ただ彼は、千絵ちゃん達の所業を責める事しかしませんでした。

言ってる事は全て正論でありながら、これではあまりにも独善的過ぎます。

世のため人のための旗印の元、仲間を無理矢理巻き込んでまでして今までの自分に対し
死刑宣告を行なうに等しい行為です。
ゆえに唯ちゃんは、こう叫ぶのです「勝手にくたばってんじゃねえぞ、コノヤロー!」って。

ともあれ、豪くんのクーデターにより全て元のサヤに収まるのですが、その際みんなから、
なぜか、彼らをさんざん鼻つまみ者扱いしていたハズの一般生徒達からも、奇面組の復活に
対し祝福を受けます。
あまりにもオメデタイ展開ですが、前の2話から判断するに、実はこれも演技ではないかと。
「あなた方が普通だと思ってる人達も、そんなには奇面組とは変わらないんだよ。」と言う、
意思表示をしたいがために、一応高校のエキストラの方に演技してもらったのでしょう、多分。
これまた、当たり前の話ですが。



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