おジャ魔女どれみ各話感想



35話「転校生は魔女見習い!?」  #####


主題...「ボディだ、ボディ!効いてる、効いてる!」

      おんぷサマの悪役デビュー。当時の私の覚え書きには「可愛くて人当たりの良いが、
      何気にずるい性格。話は面白かった。」と記されています。要するに、気にはなるが
      キャラの印象は悪かったワケです。
      ところが、マジョルカによる宣戦布告という強烈なインパクトを残した割には、何だか
      様子が・・・。
      あの〜、スタッフさん達、おんぷちゃんに味方している様に見えるんですけど・・。
      気が付けばおんぷちゃんに関する数々の描写が最終回に向け少しずつ丁寧に積み
      重ねられておりました。あたかも、相手の体力をジワジワと奪うボディーブローの様に。
      当時は少々面食らったこの話も、後から観るとすでに数々のボディーブローが放たれ
      ている事に気付かされます。
      全く、よくやってくれるアニメです。この番組は。


見所...「芸能人って言うから玉木よりタカビーかと思ったけど、何かいい感じだね。」

      どれみちゃんによる、おんぷちゃんの第一印象。評価そのものは良いものの、いきな
      り偏見丸出しのキツい台詞です。「芸能人」という色メガネ付きで相手を見ています。
      って言うか、ちゃんと見てません。この時点では(当たり前ではありますが)。
      この回、おんぷちゃんは黒板にサインを描いてみせたり、掃除をサボってみせたりと、
      人をナメきった態度をとっていますが、これも当然。
      相手にナメられてるから、自分も相手をナメ返しているのです。

    ・ 「芸能界を甘く見ないで。」

      コネでオーディションに勝てると思っている玉木を、言い負かした際のおんぷサマの一
      言。注目したいのが、反論の仕方が至極正論である事。後のエピソードからも解かる
      通り、彼女は芸能界にプライドを持ち、それを支えるに足る信頼を寄せている事がうか
      がえます。
      彼女の(特にこの時期ひねくれた)行動の要因は、芸能界そのものではなく芸能界を
      取り巻く環境、すなわち世間からの偏見にあります。
      彼女は、いわゆるマイノリティなのです。

    ・ オーディションの審査員に、人の心を操る魔法をかけるおんぷちゃん。

      プライドの高いおんぷサマとは考えにくい、不自然な行動です。事実、わざわざ魔法を
      使わなくても勝負は目に見えてましたし。
      そこで直前の描写に注目してみると「一番好きな衣装で、一番好きな芝居をする。」と
      言うキーワードがあります。
      するってえと、一番好きな服は魔女見習いの服。魔女になるのが小さい頃からの夢。
      おそらく欲するのは、人の心が自分の方を向く事。ちゃんと。
      彼女は、人の心を操る魔法をホントに使っちゃってますが(麗香のパパの台詞に注目)、
      この行為自体が「芝居」という事です。
      つまるところ、ホントは自分の力で世間の偏見を取り除きたいのです。
     


36話「四級試験はドドドドドー!」  #####


主題...「トップは誰だ?!ピンからキリの大運動会」

      メタルダーに、こんな話があったなあ、と。
      どれみ達3人はもちろんの事、ぽっぷやマジョリカにも気を配られた性格描写が
      見事過ぎます。ギャグとイベントとストーリー進行を同時にこなしながらのこの
      仕事、実に見事としか言いようがありません。


見所...「あたしは平気なの、マジョルカからお守りもらったから。」

      そんなの有りか!と、反則気味な設定に思わずギャフン。おんぷサマのヒールな
      印象を強化するには効果テキメンだったかと思われます。

    ・ 「マジョルカに言われて来たの、みんなの邪魔しに行ってこいって。」

      結果的には確かにどれみちゃん達の邪魔をした事にはなっているのですが、実際は
      ただ単に雑談していただけです。
      第一、台詞自体にやる気が見られない事からして、この行動は不本意である事が
      うかがえる様な気がします。
      スタッフの狙いが解るのは後の話なのですが、この時点では視聴者を惑わせるのが
      目的なのでしょうか。
     


37話「魔女ガエルがいっぱい!」  ####b


主題...「思いをとげさせてやれ!」

      明らかに人間界に未練がアリアリな魔女ガエル村の皆様方が、ほほえましくも
      しんみりさせられます。どれみちゃん達にとってはいい迷惑なのですが。
      さて、今回もどれみちゃん達に世話を焼かれるおんぷちゃん。マジョルカの部屋
      に通す際にさも友人が訪ねて来たかの様な紹介の仕方をしている所を見ると
      まんざらでもない様子。ぽっぷを定刻通りに送り返す辺り、なかなかしっかりした
      面も見せてくれます。
      それでもやはり、人の仕事を手伝おうとはしないのですが。


見所...「(マジョリカの顔の落書きが)ベンゼンでこすれば落ちるんじゃないかしら」

      そりゃあ落ちるかも知れんが・・・。はづきちゃんらしい発想ですね。

    ・ 「ヘンテコだけど、かわいいー」(オヤジーデを見た際のおんぷちゃんの台詞)

      本気なのか、ただ単にからかっているのか・・・。
      この頃のおんぷちゃんはリアクションがオーバーで、ある意味では現在よりも
      表情が豊かです。
     


38話「りょうたと真夜中のかいじゅう」  #####bbb


主題...「責任転嫁」もとい「雨降って地固まる」

      非があるのはりょうた君の方なのですが、当然そこまで言われる筋合いはない
      ワケでして・・・。やや強引ながらも怪獣映画としては良い出来でした。
      とりあえず、おんぷちゃんよりもガザマドンの方を選べるのはすげえ。


見所...「木村クン達も(体育館の罰掃除の)手伝いに来たの?」

      ユニフォーム着てサッカーボール抱えた相手にそれはないかと。
      さりげないシーンですが、はづきちゃんの天然っぷりが光ります。

    ・ おんぷちゃんのナルシズム

      今回はおんぷちゃんのナルシストさが描写されたワケですが、最初に拳を握り
      しめて決意しているシーンから(かなり芝居かかっていますが)それが本気で
      ある事、次に展示の日まで内容を秘密にしている事からある種の計画性、具体
      的には、教えると相手に呆れられると解っている事が読み取れます。
      そこまでして持って来たのは、なんと映画宣伝用の等身大ポップ。どう見ても
      自分で作った物には見えませんね。しかもビラまで撒き始める始末。
      明らかに人をナメていますが、彼女の自分を見て欲しいと言う意思表示は本物
      です。ただし人を全然信用していないため、ふざけた態度でカモフラージュする
      必要があるのですが。
     


39話「どれみの彼は中学生!」  ##bbbb


主題...「ストーキングはやめよう」

      一見、お約束とご都合主義と前言った事をもう忘れる様な矛盾に満ち満ちた展開の
      様に見えますが、おんぷちゃんの視点で捉えてみれば、ごく当たり前の作劇法で
      構成されている事に気付かされます。
      おんぷちゃんが今回、樋口まきちゃんの兄である秀三クンにかけた魔法は、相手の
      注目を自分以外に向けるのが目的なのですが、それにしてはやりすぎです。
      おそらくこれには理由がありまして、翌々日MAHO堂にわざわざ顔を出した時に
      「やったあ、まだわたしの魔法、解けていないんだ」と発言している事から察するに
      彼女はこの魔法の効果が永久でない事を知っており、そしてたぶん魔法が解けた後
      でどういうトラブルが生じるかも大体見当が付いている物だと思われます。

      要するにこれは確信犯的に、目の前の相手にトラブルを与えるのが目的なのです。
      そもそもは、わざわざ人目を避けれる場所へ行こうとしてる女の子をつけ回す様な
      マネを秀三クンがしでかさなければ良かった事です。
      彼は目の前でおんぷちゃんが困惑しているのも意に介さず、無神経にサインを求め
      ていますね。冷静に考えれば、おんぷちゃんのクラスメイトであるまきちゃんのため
      にねだるサインなど必要ないハズなのに。
      劇中で語られる彼の人格から判断するに悪意は全く感じられないのですが、おんぷ
      ちゃんにとってはいい迷惑です。
      つまる所彼女は、相手に困らされたから自分も相手を困らせ返しているのです。
      よって、巻き添えをくったどれみちゃんのトラブルさえ解決してしまえば後は「あたし
      知ーらないっと」で問題ないのです。
      客観的にはともかく、主観的には。


見所...「あっ、UFO!」(秀三クンの注意を反らそうとした、おんぷちゃんの台詞)

      古典的アンド後のシリーズでもおんぷちゃんに使われるギャグですが、こんな所で
      使われてるとは意外でした。

    ・ 「イヤミが通じないモード」のどれみちゃんに見事にケチをつけるはづきちゃん

      その時の台詞はこう「どれみちゃんがこんな話題で盛り上がれるのも、最初で最後
      かも知れないもの、温かく見守ってあげて」・・・ナイス天然。
      この頃は本当にスタッフに可愛がられていましたね。

    ・ 「でも楽しかったでしょ?」(フラれた直後のどれみに対するおんぷちゃんの台詞)

      「魔法でも使わないと、どれみちゃん、彼氏なんか出来そうになかったし」
      学校でどれみちゃんに味方する様な描写がある事から、どうやら彼女は一時的で
      はあるがどれみちゃんにいい思いをさせてあげたと思っている模様。
      もっとも、わざわざMAHO堂に自分の仕業だとバラしに来るあたり、どれみちゃん
      に何を期待しているのかバレバレなのですが。

    ・ 本気でおんぷちゃんの身を心配するマジョルカ

      悪役であるハズの彼女のこの描写は意外でした。
      しかし実用的な問題もあるとは言え、よく考えてみれば彼女の目的は次期女王の座
      であって、悪事そのものではないハズです。
      それ以上に注目したいのが、この会話で出てくるおんぷちゃんのお守りの効果には
      限界がある事。それと少なくとも劇中で2回は人の気持ちを操る魔法を使用してお
      り、今後も繰り返し使用する可能性が高い事とを合わせて見れば、これはあから様
      に「最終回で壊れてトンでもない事になりますよ」って言われてる様なモノですね。
      (実際の劇中での使われ方は私の予想とは少々異なっていましたが)
      ここで視聴者は、いやおうなしにおんぷちゃんが刹那的で破滅的な性格である事に
      気付かされます。
      この形に持って行ってしまえばスタッフの勝ち。あとはワクワクしようがハラハラ
      しようが、どっちみち視聴者の視線はおんぷちゃんに釘付けになります。なるんだ
      ってば。ともかくおんぷちゃんを中心としたストーリーの縦軸はここでハッキリと
      形成されたワケです。
      全く、よくやってくれるアニメです。この番組は。

    ・ 「マジカルステージ!関係者全員集合!」

      ・・・え?ちょっと待て!さっき人の気持ちを操る魔法を使うなって言ったばっかり
      やないか!
      画面から判断する限りでは、どこからどう見ても秀三クンは魔法で操られている様
      にしか見えません。にもかかわらず、禁呪を使ったハズのどれみちゃん達はピンピ
      ンしてます。そんなバカな!
      と言う事は考えられる事はただ一つ。誰かが禁呪のしっぺ返しから彼女達を守った
      のです。劇中、そういう芸当が可能と考えられるのはマジョルカしかいません。
      おそらくマジョリカの「責任を取って貰う」と言う発言は、オバケのフリしてハタキで
      ポコポコ殴られるという、マジョリカでも出来そうな事ではなく、最悪の場合、お前が
      禁を犯した罪をひっかぶれと言う意味なのでしょう。おんぷちゃん自身の抑制の
      ために。
      まあ最終回から判断するに、100年眠る位なら魔女にとってはそれほど大した
      問題でもなさそうな気がしますが。
     


41話「父と子・勝利への一手!」  ###b


主題...「病は気から」・・・そのまんまか。

      悩んでいたら、勝てるモンも勝てなくなってしまうと言うお話でした。


見所...おだてを真に受けるどれみちゃんに釘を刺すおんぷサマ

      せっかくどれみちゃんが立ち直った所へ、「落ちる人は続けて落ちる」
      「あたしって正直な人だから」と失言を吐きまくった後に、ものすごく
      芝居がかったはげましの言葉を口にして去っていくと言うふざけっぷり。
      どう見ても怒ってますね、彼女は。
     


42話「おジャ魔女・正義の戦い!?」  #####b


主題...「軽率な約束は慎もう」

      まあ話をこじれさせたのは、こうた君の様な気もいたしますが、元はと言えば
      少々無理めな約束を妹にしてしまった橋本に一番の原因があります。
      こうた君と仲直りした際にも、いくら家が玩具屋だからと言っても、超合金
      (比較的安値かと思われますが) をあげるなどと安請け合いしてしまうのはどうかと。


見所...「何をしてるんです!」「は?」(だってあたしが悪いんじゃないモン)

      教頭先生、ナメられすぎです。まあ、説教にかこつけて余計な事までアレコレ
      言い始める性格では仕方ありませんが。

    ・ 「教頭先生、あなたは間違っている!」(こうた)

      仮にも目上の人に対して、何て事を。

    ・ 「お芝居上手いんだね」

      劇中、おんぷちゃんの演技以外の表情を初めて引き出した、こうた君のこの言葉。
      パンフを見せられてもガザマドン以外は眼に入らなかったりょうた君とは対照的
      です。ただの恥ずかしい正義マニアと言うワケでもなさそうですね。
      もっとも、その時のテーマはマイノリティへの愛着や、他人とのすれ違いなので
      りょうた君には何の非もないのですが。

    ・ 「あの調子やと、人の心を変える魔法もバンバン使うとるんやろうな」

      そりゃもう、劇中では狙った様にそればっかりバンバンと。ちなみにピーマンの
      ためだけに魔法を使うのも、この回。ホント破滅的です。

    ・ 「でもホントはいい子なのよ。彼、私のファンクラブ の会長なの。お手柔らかにね」

      ついさっき「毎日、あたしの顔を見る度にサインをねだる、しつこい子なのよー」
      と言って、こうた君を煽ったのは、どこのどなた様でしたっけ。
     


43話「パパと花火と涙の思い出」  ####


主題...「子供を甘やかすのはやめよう」

      全くけしからん話です。公衆電話の使い方くらい教えておくべきです。
      ・・・いや、本当は単に麗香サマがテンパってただけなんでしょうケド。


見所...「いくら玉木だからって、言っていい事と悪い事があるよ」

      なおみちゃん、何気に凄い事言ってます。麗香サマの人望の高さが
      良く表わされてますね。

    ・ 「ホントはパパに愛されてないんじゃないの?」

      麗香サマにクリティカルを与えたこの言葉、おんぷちゃんはそれまで
      全然会話に参加していなかったのに、突然この台詞を放って二言で
      さっさと退散しちゃうんですよね。何かうらみでもあるのでしょうか?
      ・・・イヤ、単なるパパ自慢か。

    ・ ワザと壷を割り、受け売りな不満を父にぶつける麗香サマ

      あまりにも解かりやすいダダこねなんでギャグに見えてしまいました。

    ・ なおみちゃんにしがみついてる、まりなちゃん

      なぜかと思ったらゲーセンが怖いんですね。
     


44話「女子プロレスラーになりたい!」  ####b


主題...「あんなに大声出したのに、なんで気が付かなかったんだろう」

      ・・・プ、プロレスだから。
      むつみちゃんの幼げな疑問に対する、キャンディー伊藤の男前な解答が
      実に見事でした。
      ただ、勝ち負けはそこまで重要でないとは言え、応援している当のむつみ
      ちゃんが足を引っぱっていたと言うのは少し可哀相な気がしました。


見所...むつみを送る際、少し足を引きずっているキャンディー伊藤

      ほんのわずかしか写らないカットですが、彼女が負傷中である事を忘れず
      フォローする姿勢に好感が持てます。

    ・ 「あたし、いい子だよね」(予告でぽっぷにイジワルされた、どれみの台詞)

      次の瞬間、あいことはづきが無言で「ないない」(と言うカットを使用)
      タイミングが絶妙なお遊びで笑えました。
     


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