おジャ魔女どれみ#各話感想

個人的に面白いと思った話には#が、そうでなかった箇所にはbが最高で5つ付いております。



1話「どれみママになる!?」   ####


主題...「困ってる人は助けてあげよう。」

      お城の魔女達のウワサ話からすると、彼女達にとってハナちゃんの世話は厄介事でしか
      ない様です。おそらく世間の魔女達からは疎まれる存在。だからこそどれみちゃん達の
      愛(悪く言えばお人好しさ)が必要とされるのでしょう。
      どれみちゃん達の目の前で、ウィッチクイーンローズはいきなりハナちゃんを放り出します。
      まるで、「ここで助からなければ、そのまま死ね。」とでも言ってるかの様に。
      番組の明るいムードとは裏腹に、なんとも過酷な生い立ちですね。この子は。


見所...「(ハナちゃんの)育てかたをまちがえると、人間界も魔女界も大変な事になります。」

      マジョハート初登場時の台詞。彼女が少なくとも人間をどうでもいいとは思ってない事が、
      いきなりキッチリ説明されています。

    ・ 1級試験に合格した者のみが使える、見習いタップ。

      ほとんど「どれみちゃん達専用」と言ってるようなモノです。視聴者には今回の女王サマ
      の行動が演技である事はバレバレなので、全然不自然さを感じませんが。

    ・ 「わあ、かわいー。」(おニューの見習い服に着替えた直後の4人のセリフ)

      てっきり、おんぷちゃんの初お着替えシーンの事かと思ってしまいました(マジで)。
      そうではなくて、ドレスの事なんですね。


2話「あかちゃん育てはもーたいへん!」   ####


主題...「子育てに魔法を期待するのはやめよう。」

      魔法がトラブルに対する直接の解決手段にはなりえないスタンスは、前作と共通しています。
      今作の子育てにおける魔法の全面禁止という線引きは、うがった見方をすれば「子育て(の
      結果)に魔法(のような効果)を期待するのはやめよう。」と言っている様にもとれます。
      たとえ、魔法を使って結果だけ先に持ってきても必ずしも子供がその期待に応えられるワケ
      ではありませんし。


見所...やっぱりステーキを食べ損ねたどれみ。

      おそらくその直前までの食卓では楽しい団欒が繰り広げられていたのでしょう。はるかママ
      の行為をフイにしてしまった事に対する渓介パパの何ともバツの悪そうな表情と、事象のみ
      をドライに受け止めたぽっぷのさも当然の権利といった表情の対比が実に愉快です。


3話「眠っちゃダメ!ぽっぷの見習い魔女試験」   #####b


主題...「赤ちゃんを連れ回すのはヤメよう。」

      本来は、ぽっぷが私利私欲な行いから次第にハナちゃんのために行動するようになると言う、
      かなり良く出来た成長物語ですけれど、どうしてもこっちの不自然さの方が気になってしまい
      ました。ストーリー的には、ぽっぷとおんぷっちの2人にかかる非常に巧みな展開なのですが。


見所...「ミルクよ、そういう泣き方だもん。」

      1話ではどれみちゃん達とベッタリ行動を共にし、2話では1度も姿を見せずに植木鉢のみで
      存在を確認。と、まず両極端に描写をふっておき、今回の夜にぽっぷの前に姿を現わす描写
      で大体の距離感をつかませておいてからのこのセリフ。
      視聴者の感覚を誘導するのが実に上手いですね。


4話「どれみはママ失格!?」   ####


主題...「他人のおせっかいはほどほどにしよう。」

      イヤミではなく優先順位の問題かと。


見所...熱を出し泣くハナちゃんにベロベロバアをする、あいことはづき。

      マジョリカとの経験値の差がハッキリ現れていますね。


5話「さよならオヤジーデ」   #####bb


主題...「マジメに生きよう。」

      バッドカードの暴走をどうする事もできないおジャ魔女達を尻目にオヤジーデは見事な
      バラさばきで実力の差を見せ付けます。
      にもかかわらず、普段の行いがアレなためゴミ同然の扱いを受けていました。
      いくら有能でも、全然信用がないとダメという見本ですね。


見所...肥料を持って、坂を登るシーン。

      大人の関先生なら軽々運べる肥料も、子供のどれみちゃん達には大荷物です。
      みんな重そうに(特にどれみのへっぴり腰)運んでますが、いちいち一人一人荷物の持
      ち方が異なる辺り、実に作画に手が込んでいます。
      マジメに、キャラや視聴者を大事にしているのが伝わってきて、非常に好感が持てます。


6話「意地っぱりとデイジーの花ことば」   ####bb


主題...「TPOをわきまえよう。」

      今回のSOSのひやかしは、仲間意識を優先したのでしょうか?目立つためにしては
      意味なさ過ぎです。どれみちゃん達のおせっかいも余計でしたね。コレはおんぷちゃん
      にツッこまれてましたけど。
      ちなみに意地っ張りなのは、まりなちゃんの方。木村クンはどちらかと言うとパニクって
      ただけです。


見所...「マジカルステージで、どうするの?」(おんぷちゃんによるツッこみ)

      すでに乱発気味だった、マジカルステージの安易な使用に釘を刺してます。
      スタッフによる、強い自戒の念が表われていますね。

    ・「意外やな。」(木村クンをシカトした、まりなちゃんを見て)

      意外ではありません。基本的に「自信」の持てないまりなちゃんは、相手の言動に
      ハッキリとした意思表示がないと「確信」が持てないのです。
      ラストで自宅に木村クンが謝罪しに来た時に発した「ウソ!?」と言う驚きの台詞も、
      基本的には木村クンの言動を信用してはいなかった事の表われだと思われます。
      彼女の行動は「シカト」ではなく、確信が持てない故の「逃避」ではないでしょうか。


7話「ハナちゃんの健康診断」   ##bb


主題...「ソレはソレ、コレはコレ。」

      他人の赤ん坊と比べるなとは言ったが、ヘボい育て方は許さん。
      マジョハートの厳しい性格がよく表われています。


見所...マジョハートのリアクションの豊かさ。

      呆けたり、照れたり、寝ボケたりと、意外な表情が目白押しです。


8話「時間を越えて、おんぷママの秘密をさがせ!」   ####


主題...「もっと子供を信用しよう。」

      桃井くららこと、おんぷママの要求は非常に理不尽です。言うまでもなく、それ
      自体はおんぷちゃんとは何の関係もありません。
      おんぷちゃんが怒るのも当たり前と言えば当たり前です。
      まあ、そういきなり割り切れる問題ではないでしょうけれども。


見所...仕事帰りに車を運転してない、おんぷのママ。

      かつての出来事が、未だに運転に支障をきたすほどショックな体験であった事を
      表わしています。実際は自分で車を運転するかどうかは話によってまちまちなの
      ですが、それを差し引いても細かい演出ですね。

    ・若き日のママに駆け寄ろうとする、はづきちゃん。

      ついさっきタイムパラドックスを口にしたのは誰でしたっけ。見事な天然です。


9話「ハーブを探せ!MAHO堂バスの旅」   ####


主題...「商機は逃さないようにしよう。」

      ピッタリのタイミングで必要な物を売りつけに来れる、デラの顧客管理の熱心さには
      毎度の事ながら頭が下がります。
      遠征を単なるタイムロスで終わらせない、マジョリカのしたたかさもまた見事です。
      いきあたりばったりな所があるリリカおばあちゃんには、その辺りをぜひとも見習って
      欲しいと僭越ながら申し上げる次第であります。


見所...視聴者の視点に合わせて動く、マジカルステージの背景。

      ともすると、バンクシーンはダレがちになりやすいのですが、細やかな心づかいが
      新鮮で、時間の経過もさほど気にはなりませんでした。


10話「高校生あいこは『走る少女』!?」   #####


主題...「高校生になったら、どれみちゃんどうなってんのかな。」

      時限爆弾みたいなモノですね、今回の話は。もう、身もだえしたくなる程、赤裸々
      且つ残酷でありながら、たくみな演出で当事者の目からはぐらかしているという
      何とも贅沢な内容でした。
      「走る少女」は完ペキに信ちゃんとあいちゃんの2人の世界になっていて、他の
      メンバーは 「ソレっぽい人」扱いなのが、これまた願望丸出しですね。





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